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【復興政策提言】連載1?10 善養寺幸子
■題 名 | 【復興政策提言】連載1?10 善養寺幸子 | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(建設通信) |
■概要 | ■復興政策提言1 建前だけの“政治主導”はもう止めよう @建設通信(2011.5.2) 震災以前から政権与党と官僚との間の異様な確執に懸念を抱いていた。政官の信頼関係は崩れ、官庁幹部は権限を失い、内部の統率力も失われてしまっていたと言っても過言ではない。それが今、この有事に大きな足かせとなっていることは否めない。変わるべきは、政権与党である。さまざまな課題を解決する責任を担うために与党になったはずだ。今すぐ官との関係を改め、本当の政治主導を心から期待したい。手始めに、震災復興の基本となる事項を定める法律づくりに当たる与党の委員会に、関係省庁の有能な代表選手を参加させることを提案したい。 ■復興政策提言2 体制を見直せ!(1)行政編 @建設通信(2011.5.6) まずは事務方体制をつくり、国土交通省であれば都市再生機構などとの協働体制で、各地に人を入れ、地方行政と相談しながら、壊滅的な被災地に建築制限をかけるなど、国が現場に出向いて支援し、被災自治体の事務手続きの軽減化を図ってあげるべきではないか。 ■復興政策提言3 体制を見直せ!(2)協働編 @建設通信(2011.5.10) 協働はダウンかボトムアップかではない。ソーシャルネットワークというべきものであって、国、県、市町村、地区の階層でそれぞれチーム編成し対等な立場で業務分担して作業を進めながら情報をやり取りし、互いに調整を図りながら課題解決の協働を進める。 まず考える大きな「業務区分」は、物=Hard、事=Soft、金=Money。これがうまく噛み合わなければ良い事業にならない。次に「対策分類」は暮らし(住宅、食、仕事)、経済(産業、金融)、福祉(高齢者、乳幼児)、医療、文化、教育(学校、社会人)、エネルギー、環境(廃棄物、生物多様性)、交通・流通、防災・公共(行政、町会、地域NPO等民間)など、人の営みにかかわる事柄で分類する。 地域の実情により、項目を増やしたり、集約して課題ごとに検討チームを組成する。そして、扱うエリアの規模によって「作業階層」地区(住区、エリアブロック)、市区町村、県、国を分ける。階層ごとに、分類に対応した担当領域での分担作業を行い、他の階層と調整していく。 ■復興政策提言4 復興再生特区の提案(1)連携チームの編成 @建設通信(2011.5.11) チームの協働を生かす「復興再生特区」を提案する。これは、官民連携チームの協働で復興後の街の完成の姿を措きながら、バックキャスティング方式でがれき処分から測量、研究、計画、設計、施工を並行して行い、無駄なコストの削減と早期の復興を実現するというもの。 1)「広域連携復興再生特区」を指定 2)特区指定を受けた市区町村および県と国は連携チームをつくる。 (行政)国、特区に属する被災地域の市区町村と県 (学術)海洋工学、地震工学、環境工学、産業廃棄物、土木工学、都市工学、建築工学、電気工学、福祉・社会学等の研究者 (企業)産業廃棄物処分、建設、土木設計、都市計画設計、建築設計、設備設計、ICT設計等、測量や調査・検証・研究および設計を行うメンバーと施工会社。 3)がれき処理から街の復興完成までの業種別役割分担、作業区分と全体スケジュールを立てる。 ■復興政策提言5 復興再生特区の提案(2)経済メリットのあるまちづくり @建設通信(2011.5.12) ヨーロッパの人たちは建築を社会の資産と考え、地域との調和を重んじる。一方、日本での建築は個人資産の最たるもので「成功の証」的な感覚があり、他人にとやかく言われたくない代物である。行政も個人のそのような意識を重んじ、建築協定を定めたところで制約するのは高さや色くらいで、個々の建築が地域の資産になるという意識は低い。この感覚をどうにかしないと菅総理のいうエコタウンの実現は厳しい。 本来は地域全体で建築も含めたまちづくりに取り組むのが結果的に個々にも経済メリットが出てくる。そのことを地域の人たちに理解してもらうことが重要。例えば、震災で被害を受けた土地には住むべきでないという意見もある。世代交代とともに低地にまた降りてきて被災する可能性が高い。それならば、今、地域ぐるみで被災地に大津波の防災対策を盛り込んだまちづくりをしておくことが必要なのではないか。 ■復興政策提言6 資産保全法の提案 @建設通信(2011.5.17) 私有資産の再生も含めて、長期的な視点で街を再生する「資産保全再生法」を提案する。激甚災害の復興を早急に進める「復興再生事業」実施に際して個人資産の取り扱いを定めた特別法と位置付ける。津波や火災によって壊滅状態となった激甚災害被災地域の早期復興を促すために、地域を指定し、その地域の土地の権利をすべて証券化し、「復興再生事業」を実施する。「復興再生事業」は、通常の土地区画整理事業のような地権者による組合を組成せず、法律に基づき組成された公の組織が主体となり、地権者および被災住民の意見を聞きながら事業を行う。市街地再開発事業にも近い。双方混ぜたような事業である。 ■復興政策提言7 復興トラストファンドの提案 @建設通信(2011.5.18) 「復興まちづくりトラストファンド」の提案を行う。復興地域の土地を証券化して地権者に渡し、土地を集約してそれを信託に民間から資金を集める。民有地、公共用地、道路、一部の田畑なども含める。日本の金融機関は連携して世界から投資を求める。このファンド価値を高めるために10年程度の一定期間後、国が元金弁済することを保証する。「国債」や「復興債」と大きく違う点は、国全体の景気動向によらず、その地域の価値を高めることで返済が可能となる点。 これにプラスするのが、ナショナルトラストのように志投資の枠組み、返済の要らない資金の仕組み。再生される防災林や震災復興公園のオーナーになってもらう。「復興まちづくりトラストファンド」なら、自分が投資して支援した街が具体的に分かり、そ の地域の緑地オーナーとして、その地域と一生のつながりを持つことになり、その地域に愛着を感じるようになる。 ■復興政策提言8 スーパー官製談合システムのすすめ @建設通信(2011.5.19) 私は健全な価格でスムーズに復旧工事を進めていくには、業界あげて話し合って業務分担するしかないと思っている。いわゆる談合である。従来の公共工事ならば競争入札であろう。しかし、今回ばかりは入札を行ってもそのメリットは少ない。私が提案するのは、公で運営するスーパー官製談合システム。談合という言葉の印象が悪いので「復興工事専用受発注マッチングシステム」とでも呼ぼう。イメージはウェブ上のオープンサイトである。公開で業者登録を行い、提案や資材調達も含めた受注調整システムである。国がシステムを提供し、被災地に利用してもらう。 ■復興政策提言9 時限付超法規的措置の特区 @建設通信(2011.5.23) 被災地の復旧や復興をスピーディーに進めるために、現地から出てくるさまざまな抵触する法律をいちいち国会にかけずとも常時解決していく超法規的措置として、時限付の“消える法文”を既存の法律の上にかぶせる法律の提案をする。この法律は、激甚災害地域に対して超法規的措置を認める特区指定し、抵触する法律の一部または全部を時限付で緩和および変更を認めるもの。 ■復興政策提言10 今すべきは情報つなぐこと @建設通信(2011.5.26) 足を引っ張る要因を洗い出し、問題の当事者とどうすれば進められるのかを検討する、計画書の完成間近にパブリックコメントをするのではなく、先に問題の実態を広く一般から公募し、具体的な問題に対応して問題解決策を具体的に担当省庁と該当法律をも明記し、記載したらどうかと提案した。 過去の9回の連載で言いたかったこと。この国がいま、すべきことは、大きなビジョンを掲げることより、この八百万の神と暮らす日本人の国民性、現場力を生かし、情報をつなぐことに徹すれば解決策が自ずと見えてくるように思えるのである。 |
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■タグ | 建設通信 復興政策提言 善養寺幸子 | ||
■関連URL | http://www.eco-elab.com/ | ||
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■管理番号 | No.00100 |