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復興住宅手つかず 費用、用地自治体に重荷 阪神では2かカ月後着工...

■題 名 復興住宅手つかず 費用、用地自治体に重荷 阪神では2かカ月後着工
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(読売)
■概要 . 建設が遅れていた東日本大震災の仮設住宅は、1日現在で約3万4400戸が完成し、約5万とされる必要数の7割近くに達した。しかしその仮設住宅の利用期限は原則2年余り。多くの被災者にとって「次の住まい」となる復興住宅(災害公営住宅)の建設は、費用負担や用地難など課題が山積みで、大半の被災地で手つかずのまま。安心して暮らせる住居の確保は復興の前提だけに、国や自治体の取り組み強化が急務だ。

(被災者「早く」)
 津波や火災で約2800戸が全壊した岩手県山田町が5月末、復興計画について町民との懇談会を開催した。町民からは、仮設住宅退去後の住まいに関する質問や要望が相次いだ。
 約18万6000世帯の家が全壊した阪神大震災では、4万2000戸が用意された。今回の震災では、第1次補正予算で1万戸分の復興住宅事業費など約1116億円を計上した。国土交通省では最終的に阪神並みか、それ以上の戸数が必要と見ている。
(国の補助あっても)
 しかし被災地の動きは鈍い。阪神の際は震災後2か月で新規着工したが、今回は震災4か月を目前にしても着工できない。具体化に向けてまずハードルになるのが建設費。4分の3は国の補助だが、被災地では、「たとえ4分の1でも財政的に厳しく、地方債を発行するしかない」(福島県)状況。宮城県も「阪神とは異なり、人口が少なく、財政基盤の弱い自治体が多い事情も、国は考慮してほしい」と訴える。
(年度内の着工必要)
 もうひとつのハードルが用地探しだ。山田町の担当者は「そもそも公有地が乏しい上、津波を免れた高台にはすでに多くの仮設住宅が建設されている」と頭を抱える。多くの被災地で、復興住宅の用地確保は仮設住宅以上に厳しくなるとみられている。
 こうした状況を見越して、同省は今回初めて、山を切り崩すなどして土地造成する費用も4分の3を上限として補助することにした。ただ、むやみに山を崩すこともできない。被災自治体は復興計画を検討中で、それとの整合性を取りながら用地選定を進めなければならないからだ。
 工期などを考慮すると今年度内に着手しなければ。「多くの被災者が退去後に入る復興住宅がなくなる」(宮城県)。しかし、「県から復興住宅の調査を求められたが、仮設住宅の作業で忙しくて断った」 (岩手県大船渡市)というのが多くの自治体の現状だ。

◇被災者のニーズ把握が課題
 阪神大震災の復興住宅建設でも、地元自治体は多くの問題に直面した。兵庫県などの調査で市街地の住宅希望が高いことが判明したため、民間借り上げを大幅採用し、大半を市街地で確保した。
 しかし、被災者が震災前に暮らしていた地域で全て用意するのは困難だった。入居者募集では、供給数を上回る計14万8854人の応募があったものの、市街地の一部物件に希望が殺到する一方で応募ゼロの郊外施設も目立つなど、供給と需要のギャップに苦しんだ。
 また入居者を抽選で決めたため、震災前の地域社会がぱらばらに。高齢者など災害弱者を優先入居させたことで孤独死も相次ぎ、崩壊したコミュニティーの再生が大きな課題となった。
■タグ 読売 仮設住宅 復興住宅 災害公営住宅
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