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漁業へ企業参入切り札か 被災地に民間開放案 西日本は漁協加入型...

■題 名 漁業へ企業参入切り札か 被災地に民間開放案 西日本は漁協加入型
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(朝日)
■概要 . 復興構想会議は、これまで漁協が独占してきた漁業権を民間に開放する「特区」の活用を提言したが、復興の切り札になるのか。民間参入の先進地を歩いた。

◇マグロ養殖に大手次々
 長崎県・対馬の浅茅湾は国内有数の養殖マグロ産地。いけすではマグロの群れが回遊する。ドル箱漁場を求め、大手水産会社や商社などがこのあたりに集まる。そのうちの一社、国内最大手のマグロ販売会社、東洋冷蔵の子会社「みつしま水産」は3年前、地元の美津島町漁協の組合員になる形で参入した。
 かつて、対馬は真珠の養殖やイカ釣り漁などで栄えたが、外国産との競合などで魚価は低迷。同漁協は毎年1億?2億円の赤字を出し続け、2005年度には出資金の4割取り崩しに追い込まれた。救世主になったのが、みつしま水産など民間の参入3社だった。彼らが漁協に支払う販売手数料込みの漁場使用料は年間2600万円。
 企業側にもメリットがある。冷蔵庫や製氷所などを漁協から借りられるし、「漁協幹部が、反対する漁業者の説得をしてくれる」(参入企業の担当者)。長崎県は08年、企業と漁協が協定書を結ぶ方式を全国で初めて導入した。企業には 1)地元雇用を優先する 2)撤退時には漁場を原状回復する--などの条件を課す一方、漁協には漁場使用料の透明化を要請。双方の不信感を取り除くためだ。

◇被災漁協は特区に反発
 東北地方では現在、大手企業が養殖を手がける事例はほとんどない。水産庁は6月、水産会社や商社、スーパーなど55社を対象に、岩手、宮城、福島の被災3県の漁業への参入希望調査を実施。それによると、14社が参入を希望し、「検討中」「今後検討する」との回答を合わせると、全体の4割の22社が関心を示した。
 だが、実際に参入するにはさまざまなハードルがある。第一は、東北地方の沿岸は西日本に比べて水温が低く、収益を期待できるマグロやブリ、マダイなどの養殖が難しい。第二に、「水産業復興特区」が復興構想会議の提言に盛り込まれたことに対して漁協が反発。宮城県の村井嘉浩知事が提唱したものだが、漁協側がへそを曲げ、かえって話が進みにくくなってしまった。全国漁業協同組合連合会(全漁連)は6日、いまの法律でも企業は参入できるとして、特区に反対する緊急集会を都内で開いた。宮城、岩手の漁協トップらは「特区は妨げにこそなれプラスにならない」「浜に不毛な論争を引き起こすな」と訴えた。
■タグ 朝日 養殖業 民間参入 長崎県 津島 美津島町漁協 組合員 協定書 水産業復興特区 全国漁業協同組合連合会 全漁連
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■管理番号 No.01084


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