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震災半年 避難経験者500人調査 住宅不安最多の23% 仮設後の具体化急務 今も消えぬ震...
■題 名 | 震災半年 避難経験者500人調査 住宅不安最多の23% 仮設後の具体化急務 今も消えぬ震災の記憶 | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(岩手日報) |
■概要 | . 東日本大震災発生から11日で6ヵ月。岩手日報社は8月25?29日、避難経験のある沿岸部の被災者500人を対象に震災後3回目のアンケートを実施した。 岩手県内では、仮設住宅全1万3984戸が完成。8月31日に山田町の4避難所が閉鎖され、県内の公共施設や宿泊施設での避難生活は解消した。災害救助法に基づく避難者は宮古市の市営住宅で暮らす4人だけとなった。 「今後の生活についての不安」(複数回答3つ)は最多の「住宅の確保」23.6%に、「余震による災害」12.8%、「生活資金」11.6%、「自分や家族の体調」10.8%、「仕事の先行き・確保」9.5%が続く。 「主な働き手の収入」では「(震災前の)元と同じ職場で働いている」53.6%と半数にとどまっており、被災者の生活は依然として厳しい。 震災後の生活場所は2ヵ所目と答えた被災者が51.8%で最も多く、仮設住宅の建設完了で避難生活は第2ステージに移ったと言える。3ヵ所目31.8%、4ヵ所目以上13.0%、在宅避難者の1ヵ所目3.4%が続く。移動回数の最多は現在の生活場所が9ヵ所目の1人だった。 「今後、住みたい場所」は「災害前と同じ市町村の高台」53.2%、「災害前に住んでいた所」30.4%、「海から離れた市町村」5.6%、「雇用の多い市町村」2.8%の順。 「不便・不自由に感じていること」(複数回答3つ)は「買い物する店が遠い」17.9%が最多で、「聞取りなど仮設住宅関係」14.7%、「情報不足」9.6%、「(仮設住宅の)物干し場」9.5%が続く。仮設住宅生活者の多くが住環境に不便を感じていた。 ◇識者談話 南正昭氏 岩手大工学部教授 優先順位付け整備を 住民、行政一体となって 当面は斬しい街の核となる場所を選び、まちづくりと防災施設の復旧を並行して進めるべきだ。優先する地域を明確にし、多段階型の復興プランを作る必要がある。また、宅地造成だけを行っても生活はできない。上下水道や電気、道路などのインフラのほか、役所や学校、病院、商業施設などを一体で整える必要がある。住宅も全ての被災者か自力で建 て直すのは困難で、公共住宅の整備が必要だ。被災者が仮設住宅を出る数年後までに、これらをセットで整備しなければ、被災者は生活再建の見通しが立たなくなる。 しかし、通常時の手続きを踏んでいては間に合わない。今は非常時であり、農地転用や用地買収などが迅速に行えるよう、非常時に対応した制度の聾備が急務だ。また市町村が用地買収などをスムーズに行えるよう、国は財政面で強力に支援する必要がある。国は復興を最重要課題とし、財源ありきではなく、復興ありきで取り組むぺきだ。 優先順位を付けた復興は、一時的に地域間で進捗に差が生じるため、被災者が不平等感を持つ恐れがある。複維な利害関係も綿むだけに、住民と行政が一体となり、「最後は全員が元通りの生活に戻る」という共通理解を持って進める必要がある。 ◇識者談話 鈴木るり子氏 岩手看護短教授 急ぎたい仮設の改善 将来の住宅対策明示を 仮設住宅関連の不満や将来の住宅礪保に対する不安が全世代で高い。行政は「仮設住宅が完成して一段落」と考えるのではなく、仮設住宅の改善や仮設後の公営住宅の確保など、住宅問題について「次の段階」へ対策をシフトさせる必要がある。 仮設を回ってみると「呼び鈴がなく訪問に気付かない」との声を聞く。高齢者にとって重いドアは開けにくく砂利道での歩行が困難なため閉じこもりになっている。狭い聞取りが家族関係悪化などの原因につながる事例も調査続果で見られた。 生活の場は、労働再生の場であり、エネルギー蓄積、メンタル同復の場だ。住環境を整えることで「この町で何とか暮らそう」という気持ちが湧き、人口流出に歯止めをかけることにつながる。 医療に関する不安はあまり欺字に表れていないが、10代女子が「家族の体調」に対する不安や「医療の充実」への支援に高い関心を示している。このことは、親の心配を共有しているものと受けとめられ、医療充実の重要性を示しているとも言える。医療体制が整わなければ亡くなる人が多くなり、人口流出に加え人口減少の要因になる。仮設診療所には入院ベッドや精神疾患の外来が必要だ。また、遊難所を変更した回数と認知症の発症には相関関係がある。被災の出来事と相まってメンタルの問順にもなる。60歳以上で4回以上移動した人については追跡と心のケアが必要と考える。 ◇地域再生どう図る 高台移転53%が希望 資金支援求める声も ◇尽きぬ「住」の悩み 全世代で上昇傾向に 生活資金、仕事も心配 家の再建に強い希望 ◇将来像早期提示を 8割以上が遅さ痛感 「早い方だった」の声も 目立つ仮設への不満 店が遠く買い物も大変 ◇今も消えぬ震災の記憶 脱力感抜け出せず/津波の映像浮かぶ/子どもの変化心配/お盆過ぎ落ち着き/前に進まなくては/救援物資に温かさ |
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