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事故対応に不信感 共同通信全国自治体アンケート 原発増設66%反対 / 進む生産拠点復旧 ...

■題 名 事故対応に不信感 共同通信全国自治体アンケート 原発増設66%反対 / 進む生産拠点復旧 再生エネ普及目指す
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(福島民友)
■概要 ◇共同通信全国自治体アンケート
 都道府県知事と市区町村長の66%が原発の新設や増設に反対していることが10日、共同通信杜のアンケートで明らかになった。新増設や再稼働の際、原発から離れた周辺目治体からも同意を得るぺきだとの意見は54%に上り、電力会社と結ぶ「原子力安全協定」の対象拡大を求める声が強いことが分かった。

◇防災計画86%が見直し
 アンケートは8月8日から9月2日にかけて実施。1793自治体のうち1697自治体(95%)が回笞した。
 原発の新増設については「認めない」という回答が38%と最も多く「新増設は認めず、できるだけ早期に廃止」は27%、「直ちに廃止」は1%だった。「安全策が確認できれば認める」は17%だった。
 電力会社は原発の新増設や再稼働に当たり、原子力安全協定に基づいて都道府県や立地市町村などから同意を得るなどしているが、半数以上の自治体が、より広範囲の市町村の同意も条件にすべきだと回答。
 放射性物質による食品汚染をめぐる政府への不満(複数回答)では「生産者や自治体への指示が遅い」76%、「安全基準の根拠が不明」71%、「もっと情報を公開すべき」か69%だった。
 地城防災計画は、既に見直したか見直しに取り組んでいる自治体が33%、見直す予定がある自治体は53%だった。
 復旧・復興の政府対応を評価でさないとした自治体は75%、評価できるとした自治体は19%だった。

◇防災計画の見直し対象 被害想定や避難経路
 地域防災計画を見直すとした自治体は86%。具休的な見直し事項(複数回笞)は、避難経路や避難場所が79%と最多。情報収集や広報体制が72%、被害想定が71%と続いた。ほかには物資の確保・備蓄(63%)や自主防災活動(56%)などが挙がったが、首都圏では帰宅困難者対策を見直す自治体も少なくなかった。
 市区町村を人口別で見ると、地域防災計画を既に見直したか、見直しに取り組んでいたのは50万人以上で73%だったが、1万人未満では19%にとどまった。また財政力が弱い自治体や65歳以上が人口に占める創合(高齢化率)が高い市町村でも対応の連れが目立った。

◇メガソーラー期待 47%が誘致関心
 大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置について、地元への誘致に関心を示す自治体が47%に上った。再生可能エネルギーをめぐっては、普及を後押しする「再生エネルギー特別措置法」が成立した。自治体を取り巻く環境の変化がアンケート結果に反映したとみられる。
 メガソーラー構想について聞いたところ、回笞のうち「積極的に誘致したい」19%弱、「誘致をきめて検討中」29%弱となった。「現時点で誘致する考えはない」47%だった。
 地元で再生可能エネルギーによる電源を開発する場合、最も適切なエネルギーを尋ねた質問(複数回笞)では、「太陽光発電」を挙げた自治体が80%に達した。「小水力発電」37%、「風力発電」「バイオマス発電」がいずれも34%と続いた。

◇進む生産拠点復旧 再生エネ普及目指す
 被災地の生産拠点の復旧が進んでいる。しかし、震災から半年を経て円高も加わり、製造業各社は国内の生産体制を見直す動きを強めている。福島第1原発事故をきっかけとした電力不安や原発不信を背最に太陽光など再生可能エネルギーの普及を目指す取り組みが全国に広がっている。

◇沿岸部中小企業道半ば 原発風評被害で苦境も
 日本政策投資銀行東北支店が全国の資本金1億円以上の企業を対象にまとめた東北6県と新潟県での2011年度設備投資計画(7月時点)によると、全産業で削年度比19.9%増と、21年ぶりの高い伸び率となった。ただ、寸断されたサプライチェーンが震災前と同じに戻るかは予断を許さない。経済産業省が8月に発表した大手企業対象の調査では、国内の部品調達先の復旧後も海外業者からの調達を続けると回答した製造業が36社中15社に上り、一部が被災地のメーカーと距離を置きつつある実態を示した。
 サービス業では、百貨店やスーパーといった小売業は復旧需要などで震災前の水準まで回復した。
 業績の落ち込みが深刻なのは観光業。観光庁によると、東北地方の3?4月の宿泊予約は約61%がキャンセルされ、その後も国内外からの旅行者や修学旅行生の減少傾向が続いている。

◇海外視野 「分散」が本格化 国内雇用、生産縮小の恐れ
 東日本大震災で企業のサプライチェーンが寸断され、自動車や電子部品の生産は著しく滞った。部品の調達先、生産拠点の集約化で競争力向上を図ってきた国内製造業の弱点が浮き彫りになった。各杜は円高もあり、海外を視野に入れた「分散」をキーワードに緊急時でも安定的に事業を継続する対策に乗り出した。ただ、この取り組みは被災地ばかりではなく、国内の雇用減につながる可能性もはらんでいる。
 在庫を極力持たずコストを抑えてきたことも、震災に伴う生産停止を長期化させたとの指摘もある。在庫の積み増しのため価格が割安な海外品で代替するケースが増える可能性もあり、国内生産が減少する恐れが大きくなる。

◇スマートグリッド構想 電力不足解消の切り札 技術開発や実験を強化
 IT技術を活用し、効率的なエネルギー利用を目指す仕組みがスマートグリッド(次世代送電網)。震災後は電力不足を解消する切り札と期待され、関連企業は技術開発や実証実験を強化している。
 スマートグリッドは電力会社の発電所だけに依存せず、各エリアに設置される太陽光発電や風力発電などを活用する。復旧には電力需給を最適状態にする制御システムの駆使が鍵となる。天候次第で発電量が左右される自然エネルギーを利用するため、蓄電池や電圧
を安定化する送配電設備の技術が不可欠。電力を融通できる電気自動車を組み入れるケースも多い。
 課題は「導入コストや電力料金、停電を起こさない電力系統の安定性だ」(電機メーカー)という。技術が確立し本格的に普及するにはもう少し時間がかかりそうだ。
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