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【国のかたちを考える】 危機に臨んで市場丸投げはやめよ 東京大学大学院総合文化研究科教授 ...
■題 名 | 【国のかたちを考える】 危機に臨んで市場丸投げはやめよ 東京大学大学院総合文化研究科教授 松原隆一郎氏 | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(建設工業) |
■概要 | 日本再生のポイント ・構造改革路線からの転換図れ ・震災復興に対外純資産を活用せよ ・建設業は社会資本の質上げる提案を (緊急事態を考慮し資本注人する決意を) バブル崩壊後、国内制度を意図的に変え、外需によって景気を良くしようとしたのが小泉純一郎首相時代の構造改革。だが、小泉構造改革以降、経済は良くなっただろうか。震災復興でも復興特区制度を利用しようとしている。特区自体は利用しても構わないが、「規制緩和で効率良く安い物を」というやり方が、ある意味、うまくいかなくなっており、これが、もともとの日本経済の大きな問題だったことを認識するべきだ。 必要であれば、国が資本注入をしてでも取り組むべきだろう。ファンドを立ち上げ、税制などを優遇して民間の資金も引き込みながら対応していくべきだ。特区制度だけで済むような話ではない。 阪神大震災の経験からすると、1年目は周囲が優しくしてくれ、銀行も返済を待ってくれる。だが、2年目になると地方の金融機関は厳しくなり、地元の中小企業の資金繰りがおかしくなっていく。地元できちんとした機能を果たしている企業に対しては、政府がかなり強くリードして資本注入でもしないと、中小企業は単に倒れていくだけになる。 (構造改革の利益を今こそ国内に) 建設業は民閻企業であると同時に公的な働きをしている。東北地方整備局が道路の啓開作業を進めた際に活躍したのは地元の建設会社だ。そうした建設会社も今後はどうなるか分からない状況がある。 例えば、港にしても、復興すれば漁業で収入が上がっていく。そうしたところに、政府が音頭を取ってファンドから資本を入れるべきだ。護送船団方式のように聞こえるかもしれないが、今は非常時だ。緊急避難状態の時に市場に丸投げするのはおかしい。 財政難を言う人がいるが、日本には米国債など巨額の対外純資産がある。小泉構造改革の際は、(輸出型大企業の経営好転で)日本国内に利益がしたたり落ちると言っていたが、投資という意味では外国にしたたり落ちているだけで、日本に利益が戻ってきていない。外国に対して金持ちの国が「財源が無い」と言っているのが現状なのだ。 民間にも対外純資産がある。構造改革を公共的な政策として実施した結果として出てきたものもあり、何らかの形で公的に活用することを考えるべきだ。 (「つくるだけ」の業界から脱却を) ゼネコンには、例えば川で言えば、より自然な形にしながら、氾濫などの危険を防ぐというように、社会資本の質を上げていく役目がある。ある程度の安全を保ちながら、同時に自然を回復させることは建設業の仕事になる。 今までは、やれと言われてただ作るという感じがあった。川のあるべき姿や再生可能エネルギーを使う街づくりなどを、ゼネコンが提案してもよい。 単にものをつくるだけではなく、公共のアメニティーに適した新しい商品、サービスを提案して競争し、価格を含めて国民にアピールしていくべきだ。 |
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■タグ | 建設工業 松原隆一郎 復興特区 ファンド 税制優遇 民間資金 中小企業 建設業 | ||
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