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【魚の町から石巻復興物語】ハードルを越えて日常を取り戻すために (上)期待背負い高値落札/...
■題 名 | 【魚の町から石巻復興物語】ハードルを越えて日常を取り戻すために (上)期待背負い高値落札/(中)医の拠点再建信じ/(下)県外就職未来開く | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(日経) |
■概要 | . 東日本大震災から半年が経過し、宮城県石巻市の魚市場でも水揚げの量がわずかながら増えてきた。漁港を中心とする「魚の町」は漁港間競争、人材育成などの課題を抱えながら、震災前の生活を取り戻そうと一歩ずつ前に進む。 ■魚の町から石巻復興物語 ハードルを越えて日常を取り戻すために (上)期待背負い高値落札 水産加工再開急ぐ @日経新聞(2011.9.23) 今月7日、魚町の魚市場は沖合底引き網漁船のスルメイカ50トンの初入札の結果に沸いた。「ピンマルパー(1キロ108円)、内源、全部」。約30分前に行われた塩釜市の市場では落札の大半がキロ86円。市場関係者の大きな拍手の中、高値で全てを落札した「内源」とは地元水産加工会社「内源ジャパン」だ。 早期再開した塩釜は石巻などの水揚げを奪う形で昨年を上回る実績となっている。この日は、8月末まで2ヵ月間の休漁を終えた沖合底引き網漁船の初水揚げ。イカやタラなど底引き網漁でとれる魚は石巻の水揚げの3分の1以上を占める生命線。「石巻を背負った内源さんの思いに皆が拍手を送った」。 その心意気が通じたか、翌日から船は石巻に戻ってきた。しかし、「受け入れ能力が低迷したままでは、いつか漁船が石巻を離れて行きかねない」と市場関係者の危機感は強い。一見復旧が進んでいるように見えるが、市場の周辺に集積していた約200社の水産関連会社の多くは、加工場や機械を失い営業を再開できないまま。 水産加工業者の受け入れ能力は事実上、港の水揚げの限界を意味する。石巻の水産加工会社が仕人れた魚介類を凍結する能力は現在約350トンで、震災前のわずか4%程度。。昨年のスルメイカの水揚げは1日400トンを超える日もあったが、現在買い受けできるのは最大150トン程度にとどまる。漁船側に要請し、1隻あたり1日10トンの漁獲制限をしているのが現状だ。 ■魚の町から石巻復興物語 ハードルを越えて日常を取り戻すために (中)医の拠点再建信じ 戸別訪問つなぐ活動 @日経新聞(2011.9.24) 石巻魚市場近くにあった市立病院は津波で1階天井まで浸水、今も使用が中止されたまま。病院の医療スタッフは市内の高台にある仮設診療所や避難所で活動。9月からは看護師ら計40人が手分けし、仮設住宅の巡回を始めた。 亀山紘市長は20日、市議会で、5年以内に市立病院を新設・移転する計画を公表した。市は財源問題から元の病棟を再利用する姿勢を一時示したが、新設への国の支援にメドが立ったと判断した。ただ国の支援の枠組みは正式には固まってなく、詳しい再建スケジュールは未定。 被災直後はメールで連絡を取り合い避難所などに機動的な人材配置をしてきた。しかし、病院機能が長期間失われたことによって退職する医師も相次いだ。病院は、看護師や理学療法士ら約150人の医療スタッフにとって生活の支えでもある。職員の7割以上が継続雇用を希望している。市立病院は雇用確保のため、石巻赤十字病院が来春開設する仮設病棟へ医療スタッフを派遣するとしている。 ■魚の町から石巻復興物語 ハードルを越えて日常を取り戻すために (下)県外就職未来開く 「必ず戻る」18歳決意 @日経新聞(2011.9.25) 地元で「ミヤスイ」と呼ばれる宮城県水産高校は1896年の創立以来、石巻の屋台骨でもある水産、船舶業界へ人材を供給し続けてきた。昨年の就職先は約7割が県内。しかし、今年は地元からの求人が5日時点で11件と前年の半分にも満たない。 進路指導を担当する同校教諭、鈴木秀さんは9月上旬の早朝、青森県八戸市の魚市場で、見ず知らずの水産会社の社員らに声をかけ続けた。少しでも求人を開拓したいとの思いで体を動かした。水産業を志す同校の生徒はもちろん地元志向が強い。しかし、被災地の惨状を考えると活路は県外に求めるしかない。「県内にこだわるな」。今後の復興に欠かせぬ若い人材に、断腸の思いで助言する。8月には初めて東京の築地にも足を運んだ。 津波被害は生徒の技能習得にもハンディとなっている。校舎は津波で床上約50センチまで浸水。その後も地盤沈下によって満潮時に床上冠水する状態が6月まで続き、今も10キロ以上離れた仮設校舎で授業を行っている。実習船も6隻中4隻が津波で壊れたり、流されたり。実習などに欠かせない電気溶接機や切断機はいまだに使用不能。来年の就職活動前に溶接などの資格を取得したいという2年生も「設備が元に戻ったら必死に遅れを取り戻さないと」と話す。 9月中旬に同校で行われた模擬面接。緊張した面持ちの生徒らを前に、面接官役を務める石巻魚市場社長の須能邦雄さんの姿があった。「水産業に人材を送り込んできた母校への誇りを忘れないで」とエールを送る。 |
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■タグ | 日経 コラム 石巻復興物語 石巻市 | ||
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