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【東日本大震災6か月】 原発事故避難200人 地震・津波被害300人 被災者アンケート /...

■題 名 【東日本大震災6か月】 原発事故避難200人 地震・津波被害300人 被災者アンケート / 医療機関休廃止81
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(読売)
■概要 ◇原発事故避難200人 地震・津波被害300人 被災者アンケート
 大災害から6ヵ月の節目で読売新聞が実施したアンケート。住まいを失った被災者の多くが避難所から仮設住宅に移った岩手、宮城両県では、居住環摘などの生活面の改善を求める声が相次いだ。一方、福島県では、復興への道筋が見えないなかで、望郷の念を強めたり、避難先で孤独にさいなまれたりしている被災者の姿が浮かび上がった。アンケート8月27?30日、岩手、宮城両県の被災者各150人と原発事故で福島県内外に避雛した200人を対象に行った。

◇原発事故避難200人 被災者アンケート 家族離散 深い孤独
 福島県内外に避難した人のうち、「避難前に暮らしていた地域に戻りたい」と考える人は65%で、「移転したい」と考える人3倍以上にのぼった。前の調査(1か月、3か月)に比べて減ったが、依然としてして3人に2人は元の地域に帰ることを希望した。一方で「移転したい」も5人に1人(21%)と、調査のたびに増加。その理由として57%が「放射能の影響」を挙げ、特に小さな子供を持つ親からは、「子供の健康を考えると、戻りたくても戻れない」という声があがる。
 避難生活のために家族がばらばらになった人は52%で、岩手・宮城両県の29%と比較すると際立って高い。
 一人暮らしをしている避難者のうち、41%が「身近に相談したり悩みを話したりできる人かいない」と明かした。まだ、相談相手として挙げた先は家族、友人、近所の人の順。多くの自治体が設置している相談窓口を身近な相談先として挙げた人はほとんどいなかった。
 「震災前に住んでいた自治体からの情報提供が不十分」と答えた人は46%に上り、最も多い28人がほしい情報として「復興に向けた行政の取り組み」を挙げた。復興への悲観観が広がる背景には、町の将来像が見えないことに原因がありそうだ。

◇地震・津波被害300人 被災者アンケート 仮設後展望描けず
 岩手、宮城両県では7万人以上が仮設住宅で暮らすようになり、表面上、被災者の生活は落ち着いたようにみえる。しかしアンケートからは、仮設住宅で暮らす被災者の多くが、不便な暮らしを我慢している現状が見て取れた。
 最も多かった不満は「狭さ」。回答者の42%が居住・収納スペースの狭さを指摘した。「狭さ」に次いで多かったのは、床や壁が薄い仮設住宅特有の構造についての不満。17%の人がエアコンが足りないなど設備の不備を問題視。特に風呂の迫いだき機能を求める声が多かった。早くも冬の寒さへの懸念の声が上がった。
 主な交通手段として7割以上が自家用車を利用しながら、日常的な買い物に片道20分以上かかる人が3割に達しており、仮設住宅から市街地までの遠さをうかがわせた。
 現在の近所づきあいの有無を尋ねたところ、24%にあたる71人が「ない」と回答した。避難前の近隣住民と「電話・メールで連絡を取っている」「訪ね合っている」と笞えたのは73人だったのに対し、ほぼ同数の74人は「交流はほとんどなくなった」と答え、地域の絆の希薄化が懸念される結果となった。
 一人暮らしの被災者に対し、身近な相談相手か誰かを尋ねたところ、「行政関係」と回答した人はわずか1人。避難所の集団生活から離れた単身被災者を今後どうサポートするのかが問われている。
 アンケートからは、自宅の再建を阻む二つの課題が浮き彫りになった。一つは、浸水地域への家屋の建設を認めるかどうかなど、被災地の復興方針を国や自治体かはっきり示せていないこと。不足している情報として、「街の今後の復興方針」を挙げた人は24%と2番目に多かった。もう一つの要因は、金銭的な困窮だ。家庭の総収入について、「減った」とした人が5割を占め、そのうち「震災前と同じ収入を確保できる見通しがある」とした人は、18%にとどまった。

◇医療機関休廃止81 
 被災地では医療機関や介護施設も復興に向けて動き出している一方で医師不足が深刻化、廃止を届け出た診療所も岩手、宮城、福島3県で42施設に上り、休止状態の診療所も少なくとも39施設を数える。また、52の高齢者介護施設が津波などで大きな被害を受けたが、13施設しか復旧していない。

(宮城 再建集約化含み 石巻市立病院、赤十字病院)
 石巻市立病院の全面的な再建が難しくなっている。6月、石巻赤十字病院の敷地内に、手術室など設備の一部を使わせてもらう仮設病院をつくる案でまとまりかけたが、医療法上、認められないと宮城県が指摘。これを受け、赤十字病院は市立病院の職員が赤十字病院に一時的に移り、仮設病院の運営にあたる代案を市に示した。だが市側は「職員が戻らず、廃院につながる恐れがある」などの理由で話し合いを打ち切り。一連の動きに亀山市長は「(石巻赤十字への)病院の集約化を前提に話が進んでいる」と県、赤十字病院への不信感を示す。一方の石巻赤十字病院は、3年後に80床の斬病棟を開設する予定で県と協議中。東北大も同病院の強化を後押しする。県医療整備課は「市立病院がなくてもいいとは思っていない。ただ石巻赤十字と連携する方向で役割の見直しを提案している」として、市立病院の病床や診療科の削減を示唆している。
(公立志津川病院)
 南三陸町の公立志津川病院は震災後、隣接する登米市の医療機関の一部を借り、39病床をなんとか確保。同町に新たに開設した診療所と合わせ、2か所で診僚を行っている。
 震災前に4人だった常勤医は7人に増員する。ただ、同町は津波で町の中心街が壊滅。数年先をめどに、2つに分かれた仮の施設を統合した新病院の建設を目指しているが、場所や病床数など具体像はまだ見えない。
(岩手 山田・大槌・高田県立病院 病床維持へ地元動く)
 山田、大槌、高田の県立病院の再建論議に地元自治体が神経をとがらせている。被災を機に近くの県立病院への統合や診療所への縮小が取りざたされているためだ。市や町は病床の維持などを求め、岩手県への働きかけを強めている。
 県は、9月30日の医療分野専門家会議で復興に向けての意見をまとめるが、被災住民の感情に配慮、慎重に議論を進める考えだ。山田、大槌、高田の3県立病院は2年程度、仮設診療所を運営。県はその間に地域で必要とされる医療機関像を描く考えを示している。
(福島 県内の常勤医30人減少)
 原発事故の影響が大きい福島県では震災後、医師の流出が進む。8月初めまでに県内の病院の常勤医は30人減少した。原発に近い南相馬市にある4病院では、震災前に比べて常勤医が約3分の2に、看護師も半分以下に減り、医療体制を維持できるかどうか危機的な状況に陥っている。福島県を離れることを決めた医師は「自分だけ逃げていいのか」という思いはあるが、子どもは自分で守るしかないと思い決断した。定年まで福島で働くつもりだったのに残念だ」と複雑な心境を語った。福島県は近く、地域医療支援センターを発足させる。医師不足や地域偏在の実態把握や医師派遣システムづくりなどを行う予定だが、実行には時間がかかりそうだ。

◇再建意欲あれど用地なし 介護施設 「国・県有地貸与も必要」 
 被災3県では、損壊した介護施設の入居者や、自宅を失った要介護高齢者を受け入れている一部の施般で、定員を超過するなど、厳しい事態が続いている。介護は地城に根ざした事業だけに、再建意欲は強いが、復旧した施設は2割強にとどまる。岩手県社会福祉協議会の右京昌久・福祉経営支授部長は「土地確保や国庫補助手続きで国の動きが鈍く、施設経営者も先の見通しが立たない」と話す。宮城県老人福祉施設協議会の佐々木薫・災害対策本部長は、「施設の中には、借金を重ねることへのためらいもある。再建のためには、国有地や県有地の貸与も必要では」と指摘する。福鳥県では、緊急時避難準備区域の施設が避難解除を見込み再開準備を進めるが、職員確保が厳しい状況だ。
■タグ 読売 被災者アンケート 原発事故 情報提供 仮設住宅 住宅設備 地域の絆 医療機関 集約化 石巻市 石巻市立病院 石巻赤十字病院 南三陸町 公立志津川病院 山田町 大槌町 陸前高田市 県立病院 医師不足 南相馬市 福島県 地域医療支援センター 介護施設
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