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動き出した街づくり 陸前高田の復興計画点検 各地区別に市が説明会 高台移転に関心高く...

■題 名 動き出した街づくり 陸前高田の復興計画点検 各地区別に市が説明会 高台移転に関心高く
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(岩手日報)
■概要 . 東日本大震災で市街地が壊滅した陸前高田市は、17日から市内11地区で市震災復興計計画素案の地区別住民説明会を始めた。

■動き出した街づくり 陸前高田の復興計画点検 各地区別に市が説明会 高台移転に関心高く @岩手日報(2011.10.26)
 市は竹駒地区を除く米崎、小友、広田地区について「防潮堤を整備した後も、今回並みの津波に襲われた場合は浸水する恐れがある」として、住宅は原則高台移転する方針を提示。「防災集団移転促進事業」の活用を求めた。参加者からは「移転地域の範囲は行政区か地区全体か」「移転跡地の買い取り価格は」「自力で高台移転する人への支援は」と質間が相次いだ。
(小友地区)営農再開は不透明
 小友地区は市内一の水田地帯。地区全体で水田約94ヘクタールが被災。高台の水田も気仙川から水を引くパイプラインや排水路が被災して通水できず、水を使わない大豆に切り替えた。市の復興計画案では、広田湾に面する小友浦干拓地を再整備し、防潮堤前に干潟を再生する計画。防潮堤の復旧には5年程度かかると見込まれており、市が目指す2014年の営農再開に影響する恐れもある。
(米崎地区)園芸団地新たな顔
 泉崎地区は隣接する二つの農業施設が被災した。市震災復興計画素案には施設の再建のほか、太陽光型植物工場の誘致を含む大規模施設園芸団地を形成する方針が盛り込まれた。
(広田地区)漁港復旧の道筋を
 広田地区には市内12漁港のうち7漁港があり、活気を取り戻すには漁業の再建が重要だ。県管理のに広田港は地盤をかさ上げする応急工事が進行中。市管理の漁港は年内を目標に国の災害査定を進めるとともに、市は広田湾漁協と優先して復旧する漁港を検討する。
 震災前から悩まされていた高齢化や担い手不足も、加速度的に探刻さを増している。津波による孤立を防ぐため、県道の改良や付け替えを要望。住民主導で「広田地区集団移転協議会」を設立し、8月から6地区が集団移転の制度の勉強会などに取り組む。
(竹駒地区)元の場所 悩む住民
 竹駒地区は気仙川河口から約3キロ離れているが、川をさかぽった津波に襲われた。県のシミュレーションでは、高田松原に12.6メートルの防潮堤と水門を整備した場合、今回と同規模の津波でも浸水を免れると推定。そこで市は同地区復興計画案で、元の位置での住宅再建と高台移転のいずれも可とした。「低地での再建か、高台移転か」。住民は決断を求められている。

■動き出した街づくり 陸前高田の復興計画点検 市街地再生どう描く @岩手日報(2011.11.4)
 被災した市内8地区のうち、市が浸水域のかさ上げ案を示したのは、中心市街地があっ
た高田と隣接する今泉の2地区。県のシミュレーションでは、高さ12.5メートルの防潮堤を築き、さらに高田地区で5メートル、今泉地区で8メートルかさ上げした場合、今回並みの大津波が来ても、再生市街地の安全意見が上がる。一方で「時間はかかるだろうが、元の場所に住みたい」という声も根強い。
(高田地区)時間、制度との闘い。
 JR大船渡線から北側を5メートルかさ上げした上、被災市街地復興土地区画整理事業を導入し、市街地を再整備する計画。市街地の復活は5年程度と見込まれる防潮堤の整備終了後で、それまでの聞、土地利用は制限される。いかにスピーディーに再生を進めるか。制度上の問題もある。区画整理は道路や公園、宅地などの配置をやり直して市街地を再整備する手法で、住民は整理後の土地を元の土地と交換する形で取得する。区画整理の対象で元々住んでいた低地に引き続き居住できる人が高台移転を希望する場合、防災集団移転促進事業を使えるか課顛となる。
 市は、1)同事業を導入し、国補助を得て高台移転。跡地は災害危険区域に指定し、市が買い上げる 2)防潮堤整備や土地のかさ上げで安全が確保された後、指定を解除し、区画整理の市有地として使う--という2段階の対応を可能とするよう、国に求めている。
(今泉地区)街の伝統守れるか
 藩制時代に気仙郡の中心として栄えた今泉地区。伝統的な街並みは、気仙川堤防を越えた津波で壊滅した。市の復興計画案は、高台移転と宅地かさ上げの両輪で、街全体を西側の山手ヘシフトする。10月26日の説明会では「アンケートでは半分以上が高台を望んでいる」「もう家を流されたくない」など高台移転区域の拡大を望む声も上がった。現在、市が計画する高台移転地は約150戸分。要望を受けて他の移転候補地も調査しているが、山地が急峻なため互いのつながりを保った形で移転先を確保するのは難しい。
(下矢作地区)河川堤防上昇望む
 県のシミュレーションによると、高田松原と気仙川河口に高さ12.5メートルの防潮堤と水門を整備した場合、東日本大震災と同規模の津波が襲来した場合でも住宅が全壊する危険性は低いと予想されたため、市は竹駒地区と同じく、高台移転と現位置での住宅再建をともに可能とした。だが、住民説明会では河川堤防のかさ上げを求める声が上がった。市の意向調査では、被災前と同じ場所への居住を希望した人が43.6%で高台移転(25.6%)を上回った。住民はハードに頼ることに疑問を抱きつつも、高台移転の時期や財政的支援の見通しが立たない中、判断に迷っているようだ。
(長部地区)縦貫道ルート焦点
 市は浸水地域の住居を全て高台移転する方針。一方、住民は計画中の三陸縦貫道のルートに注目している。国が8月に示した東西500メートル幅のルート内に市の移転候補地が3か所入っているからだ。市民説明会でも三陸縦貫道のルートの早期確定を求める意見が出され、長部地区コミュニティ推進協議会も市への要望6項目の中に盛り込んだ。
(庁舎位置まちづくり左右)
 市は復興計画案で、新市庁舎の建設候補地を津波の浸水域内に設定。住民説明会に出席した市民からは「被災する心配がない高台に建てるべきではないか」と疑問の声が上がった。市は浸水した市中心部をかさ上げした上、再び住宅地や商業地とする考えで、新市街地の一角に新市庁舎を設けることで、住民らの利便性を考慮した。避難ビルとして活用も想定する。県のシミュレーションでは高さ12.5メートルの防潮堤を整備した場合、この場所は今回の震災と同規模の津波に襲われた場合でも浸水を免れるとされている。しかし、さらなる大津波の襲来のほか、防潮堤や水門の破損など想定外の事態に不安を感じる市民も多い。
 被災前の市街地は市庁舎や文化会館のほか、体育館、博物館、図書館などの主要施設を徒歩圏内に集めたコンパクトシティーだった。しかし新市庁舎の候補地は高台が移転地となっている県立高田病院から直線距離で約800メートル、文化会館や体育館などから500〜800メートル離れている。高齢化が進む中、車両での移助が必須となれぱ、まちづくりの在り方が問われそうだ。
■タグ 岩手日報 陸前高田市 陸前高田市震災復興計計画 住民説明会 高台移転 防災集団移転促進事業 地盤かさ上げ 防潮堤 気仙川 高田松原 河川堤防 津波浸水シミュレーション 三陸自動車道 庁舎 公共施設 コンパクトシティー 小友地区 米崎地区 広田地区 竹駒地区 高田地区 今泉地区 下矢作地区 長部地区
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