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大船渡市の土地利用方針点検 旧三陸町再生未来図は / どうする中心街再建...

■題 名 大船渡市の土地利用方針点検 旧三陸町再生未来図は / どうする中心街再建
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(岩手日報)
■概要 . 大船渡市は、市復興計画の土地利用方針図をまとめ、近く各地域で具体体的な協議を開始する。市民の考えと行政の方針の合意点を探る繊細な議論が求められる。産業の苦戦や人口減少、少子高齢化など震災前からの課題が山積する中、住民の安全破保と持続可能な地域づくりをどう進めるか。

■大船渡市の土地利用方針点検 旧三陸町再生未来図は @岩手日報(2011.11.18)
(越喜来地区)越喜来小の再建急務
 市は、県が示したが高さ11.5メートルの防潮堤整備と道路のかさ上げを行い、浸水区域を農地や緑地、漁業用地などとして利用する方針。小学校統合後に使用する越喜来小校舎を新築する。郷土芸能の継承などを通じ、地域コミュニティーの中心を担ってきた小学校の位置は新たなまちづくりに大きな影響を与える。市は高台移転を基本に、候補地A、B、Cの3ヵ所について住民による建設委員会で検討する方針。
(綾里地区)「第2線堤」是非が論点
 地域住民が第2線堤を整備し、浸水区城の再利用を提言しているのに対し、市は2線堤を整備せず、高台移転を促進する方針。住民は7月に綾里地区復興委員会を組織。現在7.9メートルの防潮堤のかさ上げと、被害の大きかった港、岩崎両地区の生活道路を兼ねた第2線堤の整備を求める。一方、市は県の示した防潮堤の高さ14.1メートルを基に津波浸水シミュレーションを実施。防潮堤背後の浸水深は2メートル未満となり「浸水をおおむね防ぐことができる」と判断した。
(吉浜地区)議論続く防潮堤の高さ
 明治・昭和の三陸大津波被災後、高台に移転していたため、東日本大震災の住宅被害は全半壊4戸にとどめた。高台移転後に被災した農地復興のモデルケース。7月に住民組織を立ち上げ、農地復興を目指して県、市との勉強会を重ねてきた。その中で議論か続くのが、吉浜梅岸の防潮堤の高さだ。県は震災前の7.15メートルの2倍の14.3メートルを提示。これに対し住民側は、震災前と同じ高さの防潮堤と、農地と住宅群の間に第2線堤兼集落道路の同時整備を求める。市は県に柔軟な対応を要請し、県も検討しているものの、新たな集落道路の建設は費用や用地確保などの面から難航も予想される。
(第2線堤 費用や利便 実現に課題)
 大船渡市は、比較的低い盛土で効果が得られる地城での第2線堤を提唱し、必要に応じて背後地の地盤かさ上げも検討。盛り土が高すぎる場所では高台移転を推奨する。市は浸水シミュレーションから最大4メートル程度の県道や市道のかさ上げを想定しているが、生活道路としての使い勝手を大きく損ないかねない。盛り土が高くなると取り付け道路が必要となり、建設費用の高騰も懸念される。また、市が方針図で県道の2線堤化を示している場所に構造物があるなど、実現困難な路線もある。2線堤に関する県などとの具体的な協議や交渉はこれからで、難航が予想される。

■大船渡市の土地利用方針点検 どうする中心街再建 @岩手日報(2011.11.20)
(大船渡・盛地区)職住分離か融合か 低地の商業専用に異論
 JR大船渡駅周辺。プレハブの仮設店舗建設が進む。仮設店舗の使用期限は原則2年。その後、中心市街地はどこに形成されるのか。市の方針は現在の仮設商店街の位置を「商業地域」とし、別に住居を高台に持つ「職住分離」が基本的な考え方。仮設商店街の協同組合理事長は、「人が住まなければ商店街ではなく、ビジネス街になてしまう」と懸念。避難を前提に浸水覚悟で居住しながら商売を営む重要性を訴える。一方、「市街地を元に戻すだけでいいのか」という声も強い。仮設商店街の一帯は地盤沈下のため排水に問題が生じる恐れもある。新商店街をどう発展させていくか、長期的、広域的な視点でのデザインか求められている。
(赤崎町)2線堤化も不安なお
 再建する湾口防波堤と高さ7.2メートルの防潮堤に加え、中赤崎地区では海沿いの県道を約4メートル程度かさ上げした「第2堤防」で津波を食い止める計画。津波シミュレーションでは後背地の浸水が2メートル未満と想定され、「住宅系土地利用区域」とした。市は建物を鉄骨造りとするよう指導・誘導する方針だが強制力はなく、今後木造住宅が再建される可能性もある。大立・永浜地区は道路を7メートルにかさ上げしても後背地の浸水が2メートル以上になると想定されるため、防潮堤の整備のみが計画に盛り込まれた。浸水想定区域内の住居は高台に移転する方針。住民組織が7月に行ったアンケートでは被災住民の約6割が高台移転を希望した。しかし、事業の詳細が見えないことから、待ちきれずに浸水した家の修理や新築を検討する人も出始めている。
(末崎町)孤立防止へ道路建設
 陸前高田市境に位置し、半島部が大半を占める。海沿いを通る県道が断絶され孤立した。市復興計画には、高台を通る県道バイパスや迂回路が盛り込まれた。今後の焦点は、防災集団移転促進事業による住居の高台移転。泊里地域は避難所で高台移転の希望調査を行うなど、市内でも復興の動きが早く、注目を集めてきた。しかし、手を挙げてみたものの、そこから進まないのが現状だ。
(蛸ノ浦地区)住宅高台移転に課題 適地選びや戸数集約
 蛸の浦地区は第2線堤などの防災施設による対策が難しく、一部住居の高台移転と宅地のかさ上げが復興の柱。住民はおおむね同意しているが、山と海に囲まれ平地が少ないため、土地の選定、確保が今後の課題となる。6月には国指定史跡「蛸の浦貝塚」の一部活用を求めて市に要望書を提出したが、文化財保護法で開発行為が厳しく制限されており実現は業しい。また、5戸に満たない小集落では自己資金での高台移転を与儀なくされるケースか生じかねない状況。
(注目の大船渡線 かさ上げにJRは難色)
 当面の焦点はJR大船渡線。市は「第2線堤」の機能を持たせるため、かさ上げによる線路の復旧を提案。JR東日本は難色を示しており、協議の行方が注目される。市復興計画策定委員会では、一部委員が利用者減やかさ上げした線路が避難の障害となることなどを指摘し、廃止論を出した。しかし、市は同計画に鉄道の「早期の復旧・整備を目指す」と明記。線路を約4メートルかさ上げして2線堤化し、背後に市街地を形成する考え。これに対し、復興委で同社の委員は「線路は防災施設ではない。かさ上げするならば土地確保や費用負担は市にお願いすることになる」と説明している。
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