東日本大震災復興計画情報ポータルサイト(特設サイト)

津波被害の沿岸37市町村調査 復興計画、8割が年内策定 福島県内は原発事故で遅れ...

■題 名 津波被害の沿岸37市町村調査 復興計画、8割が年内策定 福島県内は原発事故で遅れ
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(官庁速報、福島民報)
■概要 ■特集・津波被害の沿岸37市町村調査 復興計画、8割超が年内策定へ=高台移転実施「住民合意」はゼロ―政府の対応遅れに批判相次ぐ @官庁速報(2011.11.30)
 津波で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の沿岸37市町村のうち、約84%の31市町村が震災復興計画を既に策定済みか、年末までに策定する方針であることが、時事通信社の調査で分かった。
 調査は10月末から11月にかけ、沿岸地域に位置する岩手県12市町村、宮城県15市町、福島県10市町を対象に、アンケート形式と聞き取り形式で実施。復興計画の策定状況や高台移転の進捗状況、復興実現に向けた政府への要望などを尋ねた。

◇原発事故が足かせ
 復興計画について、岩手県の全自治体は既に策定済みか、年末までに策定予定。宮城県も、津波で甚大な被害を受けた南三陸町以外は年末までに策定を終える予定。これに対し、原発事故の影響が復興の足かせとなっている福島県では、浪江町が「復興計画の前段となる復興ビジョンを来年3月に策定予定」と回答。楢葉町、富岡町、大熊町は来年3月以降の見通しで、双葉町は「未定」。
◇「人命を最重視」
 高台移転方針の29市町村は、その理由を「二度と津波で人命を失わないため」(岩手県田野畑村)、「人命を守ることを最重視し、移転によって住まいの安全を確保するため」(仙台市)などとした。その一方で、高台移転に向け、地区住民と「合意済み」と答えた自治体はゼロ。一部地区を含め「協議中」は18市町村だった。
 防災集団移転促進事業を事実上全額国庫負担としたことに対しては、約9割に当たる34市町村が「復興の弾みになる」と評価した。ただ、岩手県久慈市、宮城県石巻市、多賀城は「その他」と回答。「被災者生活再建支援金以外の住宅再建支援も必要」(久慈市)、「土地の買い上げ単価は被災前の単価とする要件緩和が必要」(石巻市)など、移転する被災者への一層の財政負担軽減を求めた。
◇「分捕り合戦」懸念も
 3次補正や交付金制度創設などに対する一定の評価を示す自治体もあった。しかし、4割超に上る16市町村が「スピード感に欠ける」(福島県広野町)、「全てにおいて遅過ぎる」(宮城県南三陸町)など、対応の遅れを指摘した。
 自治体側には予算が枯渇することへの不安もある。岩手県山田町は「過度の期待を持ち、後で対象外とされないか不安。対象市町村の予算の分捕り合戦に陥らないよう、明確な基準の下、配分してほしい」と訴えた。
◇防潮堤で賛否 過半数の壁 早くて3年?
 岩手県宮古市田老地区は復興計画で高台移転を打ち出す。一方、県は新たな防潮堤を整備する方針で、14.7メートルにかさ上げされる。こうした整備計画を受け、これまで住んでいた土地に戻りたいとの意向を示す住民も出ているという。
 宮城県気仙沼市住宅課では、市内36地区が移転の可能性があると想定しているが、地区ごとで住民の同意を得ることが移転の条件としている。復興特区法案の政令では、防災集団移転促進事業について、従来の「10戸以上」から「5戸以上」に要件を緩和。ただ、移転住宅の数が10戸を超える地区は半数以上の戸数が集団移転先に移転しなければならず、住民の同意取り付けが大きな壁となっている。
 大浦地区では11月20日、「大浦防災集団移転既成同盟会」の総会が開かれた。年内に過半数の同意を目指すが、住民には高齢者も多く、同意取り付けは容易ではない。一方、舞根(もうね)地区では、集団移転に向けた同盟会を4月にいち早く設立。移転先の地権者12人全員の同意も得られ、先進事例の一つとなっている。ただ、移転先として想定されるのは山林。山林の宅地造成は手続きも煩雑で、市の担当者は「造成完了まで早くて3年程度かかるのではないか」とみる。
◇まずは除染
 原発被害を受ける福島県の自治体は、復興計画以前の問題も抱える。最大の課題は放射能の除染だ。浪江町では、来年3月には復興ビジョンを策定する方針だが、町への帰還時期をビジョンに明示するかどうかは決まっていない。「避難町民からは『耐えて3年程度』という声がある」と指摘。政府の復興支援策には「支援メニューが先細りすることを懸念している。復興が遅れる原子力災害地域にも財源は確保しておいてほしい」と焦燥感を募らせる。

■沿岸自治体復興計画 8割が年内策定 福島県内は原発事故で遅れ @福島民報(2011.12.4)
 福島、岩手、宮城3県の沿岸37市町村のうち、約84%に当たる31市町村が震災復興計画を既に策定済みか、年末までに策定する予定であることが3日、時事通信の調査で明らかになった。調査は10月末から11月にかけ、岩手県12市町村、宮城県15市町、福島県10市町を対象に行った。
 岩手では全自治体が復興計画を策定済みか、年内に策定する予定。宮城も「未定」とした南三陸町以外は年末までに策定すると回答した。
 一方、福島県では、浪江町が計画の前段階となる「復興ビジョン」を来年3月に策定予定。楢葉、富岡、大熊の3町は計画策定が来年3月以降となる見通しで、双葉町は未定。
 高台移転を予定している自治体は29市町村に上ったものの、住民と合意に達した市町村はゼ口。
 福島県では原発事故を受け、国の責任による除染の徹底のほか、「放射能に関する明確な基準を示し、風評被害を広げないでほしい」(相馬市)など風評被害対策を求める回答があった。
■タグ 官庁速報 福島民報 時事通信 市町村アンケート 復興計画 高台移転 集団移転 防災集団移転促進事業 復興特区 原子力災害 除染 宮古市 田老地区 気仙沼市 大浦地区 舞根地区
■関連URL
■添付ファイル
■管理番号 No.02614


PAGETOP
| お問合せ・所在地 | サイトマップ | 電子パンフレット | リンク・著作権 | 個人情報保護方針 |