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高台移転初の合意 岩手・野田村と住民 造成14年度末 / 集団移転重い負担...
■題 名 | 高台移転初の合意 岩手・野田村と住民 造成14年度末 / 集団移転重い負担 | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(朝日) |
■概要 | . 岩手県野田村で4日、一部の世帯が村の計画する高台への集団移転に正式合意した。被災地の高台・内陸移転で住民と自治体の正式合意は初めて。村によると、今回の対象は95世帯で、このうち40〜50世帯が同意する見通し。 野田村は、盛り土より海側を建築基準法上の「災害危険区域」に指定し、居住を禁止する方針。この区域の世帯を南北3ヵ所の高台に移転させる計画だ。4日に村役場であった説明会には約100人が出席。戸別面談調査で、一部世帯が文書で移転の意思表示をした。 移転世帯は、村が造成成する高台団地(1区画300平方メートル)を買ったり借りたりする。来年2月ごろから用地取得を進め、国からの復興交付金などを得て2014年度末までに工事を終える方針。 ◇集団移転重い負担 (「新ローン難しい」 岩手・野田村) 岩手県野田村役場での説明会では、高台に住宅を建てると土地代とあわせて1400万円、災害公営住宅の払い下げを6年後に受けても1280万円かかるという試算が示された。一部支援があるにしても、被災者にとっては重い負担だ。それでも、村が見切し発車に踏み切ったのは「このままでは村外に避難した人が帰ってこなくなる」との危機感からだ。仮設住宅団地の自治会長は「親類も多く、毎月開催している懇親会で気心が知れている」と結束の理由を打ち明ける。計画に目立った異論は出ていないが「地域のみんなで移りたい。でも先立つものがね……」 (地震保険が頼みの綱 気仙沼) 11月28日夜、宮城県気仙沼市小泉地区で高台移転を目指す会合が開かれた。野田村とは対照的に、住民主導で移転計画を練ってきた。市は「住民提案型」の集団移転モデルとしてアピールしたい考えだ。小泉地区は約150世帯。漁村が多い三陸沿岸にあって、専業・兼業合わせて農家が8割を占めることも合意が早く進んだ理由の一つだ。移転のまとめ役は「共同作業で培った住民同士のつながりの深さに加え、農協の地震保険(共済)に加入していた世帯が多く、負担がそれほど重くない」と説明する。 (「元の場所で」と異論 仙台) 11月21日、仙台市若林区の仮設住宅の集会所。住民の大半は当初、内陸や高台での再建に前向きだった。だが、移転の自己負担が最大2千万〜3千万円に上ることが分かると、住民の一部がもとの居住地での再建を訴え始めた。集団移転を目指す住民と反対する住民が同じ仮設集会所で話し合ってきたが、11月からはテーブルを分け、ついたてを立てて論議している。移転反対者は「千年に一度の異常な天災。重い自己負担を強いてまで移転しろなんておかしい。元の場所に住み続けられる選択肢がどうして認めてもらえないのか」と憤る。移転を望む住民は「都市部は様々な事情の住民が混在する。まとまるのは無理。移転派だけでも早く計画を具体化しないと、いつまでも前に進めない」と語る。 震災直後は、ほとんどが高台・内陸移転を希望していた被災地だが、時間が経つにつれ、年代や職業、地域によって考えの違いが表面化してきた。住民合意の道筋が見えているのは、岩手県の2村、宮城県の2市だけだ。 |
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■タグ | 朝日 野田村 高台移転 集団移転 合意形成 災害危険区域 気仙沼市 小泉地区 仙台市 若林区 荒井地区 | ||
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