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【再興への道】いわて東日本大震災検証と提言 第6部高台移転 1-3...
■題 名 | 【再興への道】いわて東日本大震災検証と提言 第6部高台移転 1-3 | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(岩手日報) |
■概要 | . 岩手県内の被災12市町村は復興計画策定を進めている。特に高台移転は津波防災の切り札であるのと同時に、移転に伴う市町村の財政負担が実質的にないため、人口減少や少子高齢化に対応する新たなまちづくりの好機とも言える。2004年の新潟中越地震で被災した新潟県小千谷市などを例に、高台移転を集落再生につなげるための課題を探る。 ■【再興への道】いわて東日本大震災検証と提言 第6部復興計画 1)新潟県小千谷市(上) 光見据え集落で決断 @岩手日報(2011.11.28) 新潟県小千谷市十二平(じゅうにだいら)集落は、4メートル以上の雪の壁に閉ざされる豪雪地帯。住民は稲作や特産のニシキゴイを育てる養鯉業などを営み生計を立てていたが、高度経済成長期以降、若者が次々と流出。1070年代に25世帯あった住家は11世帯にまで減少した。そして2004年10月23日、同集落は新潟県中越地震に襲われ壊滅した。震度6強の烈震で住居は全て全壊。道路も寸断され、全住民がヘリで避難した。 山の暮らしは大変だった。十二平から街場の病院へ行くには、タクシー代が片道4千円以上かかった。仮に震災がなかったとしても、十二平集落の消滅は時間の問題だった。だからこそ避難所から仮設住宅に移った住民は、再び十二平へは戻らず、三仏生地区などへ全戸集団移転する道を選んだ。今は、同市内や隣接の長岡市へ通勤、通学する若者と高齢者が、家族一緒に暮らせるようになった。全員が顔なじみだった集落のつながりも昔のままだ。 ■【再興への道】いわて東日本大震災検証と提言 第6部復興計画 2)新潟県小千谷市(中) 最大限に制度を活用 @岩手日報(2011.11.29) 新潟中越地震からわずか4ヵ月後の2005年2月、仮設住宅の一室で新潟県小千谷市十二平集落の住民11世帯41人は、全員で集団移転する決意を固めた。06年6月には同市三仏生の集団移転地に最初の住宅が完成。住民は震災から約1年半〜2年半で、仮設生活を出ることができた。住民のリーダー役を務めた鈴木俊郎さん(72)は「あらゆる制度を活用し、資金面の不安をなくせたことが大きい」と成功の鍵を語る。 移転には国の防災集団移転促進事業補助金を活用し、造成費などとして1戸当たり1655万円相当が市に補助された。約200〜330平方メートルで区画分譲した移転地の価格は約330万〜550万円で市価の半額程度になった。住民には義援金や生活再建支援金が支給され、復興基金からも利子補給や補助が行われた。さらに、あらかじめ地震保険が含まれている農協の建物更生共済に全戸が加入しており、1千万〜3千万円が補償された。新居は約75〜300平方メートルで、価格は1100万〜4500万円。2500万円以下の6戸は新たな借金をせずに済んだ。 一方、住民は災害危険地域に指定された元の土地を売却せず、保全することを選んだ。春から秋までは毎日、農地や養鯉池に通う「通勤農業」を営むことで荒廃を防ぎ、桜や桃の植樹、アサガオの栽培、記念碑の建立なども協力して行っている。春と秋の祭りも従来通り続けている。元の土地を売却しなかったのは、価格が非常に安く、売っても足しにならなかったからだ。 ■【再興への道】いわて東日本大震災検証と提言 第6部復興計画 3)新潟県小千谷市(下) 残った人に不公平感 @岩手日報(2011.11.30) 2004年の新潟県中越地震で被災した同市山間部の6集落のうち、全世帯がそろって移転したのは十二平(11世帯)だけ。当時小千谷市長だった関広一さんは「移転した人としなかった人の間にしこりが残ってしまった」と悔やむ。 市は防災集団移転促進事業など多くの補助事業を導入した。十二平集落の場合、新築する住宅が2500万円以下だった6世帯は、新たな借金をせずに新居を建てられた。だが、集落に残る人に対しては、義援金や生活再建支援金など500万〜600万円が支給されただけで、残りは個人負担になってしまった。「古里を守るために頑張ろうと残った人が、今の結果に不公平感を持つのは仕方ない。だが、元は同じ集落の仲間だった人を批判する場面も見られ、とても心苦しい」と話す。 塩谷集落は、51世帯のうち27世帯が残った。だが、その後も通院や雪下ろしができなくなった高齢者らが離れ、災害から7年を経た今は21世帯に減っている。積雪が少なく、生活基盤が整った集団移転地との生活格差は開く一方だ。 同市の復興に詳しい新潟大災害・復興科学研究所の福留邦洋特任准教授は「全戸移転か一部移転かを判断するのは住民だが、一部の有力者らだけで決めてはならない。全住民が議論に参加して納得した上で結論を出すべきだ」と指摘する。 |
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