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【経済教室】 新しい日本へ復興の見取り図5 住み替え支援、信託活用で 大垣尚司 立命館大学...
■題 名 | 【経済教室】 新しい日本へ復興の見取り図5 住み替え支援、信託活用で 大垣尚司 立命館大学教授 | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(日経) |
■概要 | . 阪神大震災では、復興の議論は主として「市街地の再興」の問題ととらえられ、住民はそれまで住んできた土地で生活を再建し、またそれが可能だとの基本前提があった。ところが、東日本大震災では、地殻変動で水没した地域のように同じ場所での再興を図ることが物理的に不可能、あるいは長期間困難と考えられる地域が存在する。 (ポイント) ・大震災で多くの被災者が住み替え迫られる ・被災地の住民でなくなると支援受けにくく ・移転先の住居費を確保できる仕組みが必要 苦渋の決断であるが、町の再興をあきらめて、国や自治体がその全部または一部を接収し、被災者慰霊公園や太陽光・風力発電プラントにするといった選択肢も考慮せざるを得ない。 被災者が生活再建のために積極的に住み替える場合に、被災した従前の住まいを被災地復興のために提供する見返りに、提供資産の毀損の状況にかかわらず、住み替え先での居住費を確保できる仕組みを考えた。「復興住宅信託」を軸とする枠組みで、詳細は6月に刊行予定の「立命館法学」掲載論文に譲る。 1)生活再建のために住み替えを希望する被災者は、被災した住宅や土地を受託機関に信託し、見返りに復興住宅証書と住民証書(いずれも信託受益権〉を受け取る。受託機関は、自治体などと協力し信託財産を活用して被災地を復興し、長期間かけて信託財産の価値を高め、最終的に信託財産を受益者に移転して終了する。復興住宅信託の受益機関は信託業などの免許を受けた信託銀行などだが、業務の公益性から国や自治体、あるいは何らかの公的主体が運用〈復興事業)に積極的に関与することが可能な仕組みとする。 2)被災者は住み替え先を取得・賃借する場合に限り、復興住宅証書を公約機関に買い取ってもらうことができる。買取代金は原則として一時金ではなく定期金とする。 3)買取機関は、買い取った復興住宅証書を裏付けとした債権(証券化商品の一種)である「復興住宅金融債」を発行して資金を調達する。返済資金には国からの出資金もしくは補助金に加え、取得した復興住宅証書の配当を充てる。発行体には、証券化商品の発行実績を有する住宅金融支援機構んどの既存組織を活用するほか、一定割合については義援債としてゼロもしくは低金利で広く国民から調達する。 被災者3万人の利用を前提に、毎月6万?10万円程度(若年)、4万?6万円程度(シニア)をそれぞれ10年、終身で支払った場合の公的負担額を試算した。必要資金の8割を義援債で調達する場合、政府は毎年約100億円を30年間買い取り機関に補助ないし出資すれば(負担総額は約3干億円)、30年後に復興住宅金融債の残高をゼロにできる。 |
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■タグ | 日経 経済教室 コラム 大垣尚司 復興住宅信託 | ||
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■管理番号 | No.00288 |