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【東日本大震災9ヵ月特集】 未来図作り 住民激論...

■題 名 【東日本大震災9ヵ月特集】 未来図作り 住民激論
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(読売)
■概要 . 東日本大震災から11日で9か月。岩手、宮城両県では、津波被害を受けた沿岸市町村の復興計画がおおむね固まった。住宅再建の方法などを巡り、住民同士の話し合いも本格化してきたが、地区によっては意見が対立するケースもある。福鳥県では、原発事故の警戒区域などに指定されて古里への帰進のめどが立たす、具体的な復興計国を作れない自治体が目立つ。

◇岩手・宮古 復興案巡り意見対立も
 巨大防潮堤が津波で破壊され、約180人の死者・行方不明者を出した岩手県宮古市田老地区。市は9月下旬、同地区の復興について4案を住民側に提示。しかし4案はたたき台として、住民で作る「まちづくり検討会」に選択を委ねた。
 10月、自治会役員や漁業者、PTA関係者らが集まり、検討会が始まった。2回目の11月25日。2班に分かれ、真っ白な地図に思い思いの意見を書いた付箋を貼り付けた。「ここは人が住めないようにしよう」「いや、かさ上げで住宅地に」と意見が対立する場面もあった。終了間際、「こんな言いっ放しの検討会で本当に決められるのか」「被災しなかった人の意見を聞かないでいいのか」などと検討会の進め方を巡って40分以上も不満が噴出した。
 参加した会社員・前川さんは「住民で話し合うのは賛成だが、高台移転の是非など大前提の共通認識ができていない。本当に意見集約できるのか」と焦りをにじませた。山本正徳市長は「将来、同じような被害に遭って住民が後悔することのないよう、今は腹を割っていろんな意見を出してほしい。最後は市か責任を持って決断する」と話す。

◇仙台 集団移転派VS現地再建派
 荒浜地区は震災前で約900世帯。津波でほぽ全住宅が流失した。仮設住宅などで暮らす住民は6月頃から会合を持ち、集団移転を前提に話し合いを重ねた。しかし、夏頃から、費用負担などを心配し、現地再建を望む声が目立つようになった。
 9月に示された市の復興計画中間案では、東日本大震災級の地震が起きた場合に2メートル超の津波が予想される地域は、条例で災害危険区域に指定し、住宅建築を禁止して移転を進めるという内容。荒浜地区は指定される見通しだ。
 荒浜の移転派と現地派は11月から「一緒だと意見集約できない」と、ついたてをはさんで別々に話し合いをしたが、21日の全体会合後は話し合いの曜日をずらした。移転派は活発な議論を交わす。現地派は具体策を見いだせず、その一人・二瓶さんは「条例で私的財産を制限する手法は乱暴だが、条例に従わないわけにもいかない」と複雑な心中を語る。

◇福島・大熊 まず除染見えぬ帰還の日
 原発事故で全域が警戒区域になった福鳥県大熊町は、会津若松市に役場機能を移し、約1万1500人いた町民は全員が町外での生活を強いられている。町が来年3月までの策定を目指す復興計画では、11月から町内で始まった国の除染モデル事業に期待し、町内で放射線量が比較的低い所に復興拠点を作る。
 しかし、計画の前提となる町への帰還のめどが立だない。避難生活が長引けば、町民 の心が町から離れる恐れもある。町は3月にも帰還意思を尋ねる町民意向調査を行い、基礎データにする。渡辺利綱町長は「避難生活で町民の疲労や不安はピークに達している。将来が見通せるよう取り組みたい」と復興計画が住民の希望につながることを期待している。
 福島市は、大波地区など線量の高い地域を抱えており、策定中の復興計画でも除染を柱に据える。大波地区などの住民を受け入れるため、放射線量の低い市西郎に災害公営住宅(復興住宅)を造れないかも検討している。大波地区では、委託業者が通学路を高圧洗浄機で洗うなど除染が進むが、大波小では仙台や山形などへの転出が相次ぎ、30人いた全校児童は22人に減った。
 
◇行政との橋渡し役必要
 岩手、宮城両県は県全体の方針を示した復興計画を策定済み(福島県は年内策定)で、市町村はこれを参考に、より詳細な街づくりの設計図を作ることになる。阪神大震災では、新たにマンションやビルを建てても入居者があまり集まらない地域もあった。NPO法人・神戸まちづくり研究所の小林郁雄理事長(神戸山手大教授)は「住民の意見をどう反映させていくかが今後の課題」と指摘。「住民と行政の橋渡しをし、専門的な助言もできるコーディネーター役が不可欠だ」と訴える。
■タグ 読売 復興計画 宮古市 田老地区 まちづくり検討会 高台移転 意見集約 仙台市 荒浜地区 集団移転 現地再建 災害危険区域 大熊町 福島市 大波地区 放射線量 除染 小林郁雄 コーディネーター
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