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【再生の針路】点検・復興計画1-6 気仙沼市、大崎市、七ヶ浜町、名取市、女川町、岩沼市...
■題 名 | 【再生の針路】点検・復興計画1-6 気仙沼市、大崎市、七ヶ浜町、名取市、女川町、岩沼市 | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(河北新報) |
■概要 | . 東日本大震災で被災した宮城県内の自治体で、地域再生に向けた復興計画が相次いで策定されている。各自治体の計画を点検し、問題点を探った。 ■【再生の針路】点検・復興計画 1気仙沼市 土地利用案に困惑の声 @河北新報(2011.12.10) 気仙沼市は沿岸部に都市機能が集積していたことが災いし、津波で8割以上の事業所が被災した。市の復興計画では「低地ゾーン」と「盛り土かさ上げゾーン」に分けて面的に整備を進める方針。低地ゾーンは居住を制限して工場などの集積を進め、かさ上げゾーンは数メートル盛り土して住宅地を確保する。 しかし、往民からは戸惑いの声が聞こえる。幸町地区でかさ上げゾーンに指定された鈴木さんは「数メートルの盛り土など現実的ではない」と言い切る。全壊した自宅を修繕したばかり。「せっかく直した愛着のある家。かさ上げしなくても済む方法を探ってほしい」。低地ゾーンでも住民の不安は広がる。鹿折地区の自営業男性は「今の場所には再建できず、別の場所に移りたくても資金がない」と、苦しい胸の内を明かす。 復興計画のために財産権を縛られたり、制限を受けたりすることに息苦しさを感じている住民は少なくない。 ■【再生の針路】点検・復興計画 2大崎市 商店街活性 具体策乏しく @河北新報(2011.12.11) 大崎市が10月に策定した復興計画は「内陸部の復興モデル」を目指す。劇的変化をもたらすような事業は見当たらないが、旧1市6町が合併した市が、視野を広げ次のステップに進む内容に仕上がった。基本理念の柱は「連携と協働」。市内の連携をはじめ、東北の交通の要衝として、被災沿岸部の後方支援や仙台市の機能補完も踏み込む。 策定当初から関心が寄せられたのが中心市街地の復旧。シャッターが下りたままの被災店舗が目に付く。計画には「商店街の復興および再編」「中心商店街の機能強化」といった文言が並ぶが、そこからは具体的なビジョンが見えにくい。中心市街地の再生・活性化策には「地域防災拠点の整備」も挙がる。移転する市民病院の跡地を含めた市役所周辺に防災関連施設を集約する案だが、市の所管ではない古川署や大崎消防本部の移転も含まれおり、容易ではない。 ■【再生の針路】点検・復興計画 3七ヶ浜町 土地買い上げ先見えず @河北新報(2011.12.13) 市町村が国に成り代わって住民からしかられる。七ヶ浜町が開いた復興計画の住民説明会もこんな光景に終始した。町は町内数ヵ所を居住系集約拠点とし、計520戸分の宅地提供と災害公営住宅200戸を建設する計画を提示した。住民からは「被災土地をいくらで買い取ってもらえるのか」との質問が相次いだ。土地を売る以外に住宅再建の資金を確保できない被災住民は多い。だが、買い取り費用を「全額国庫で負担する」としている国も、その基準をなかなか示そうとしない。矢面に立つ町職員は、うなだれるしかなかった。 町が7月に行った住宅復旧に関する意向調査では、移転を希望しない世帯が約半数を占めたが、その後、移転希望に転じた世帯も多い。災害公営住宅を調整弁にしようにも、国は「余分な公営住宅建設は認めない」の一点張り。実際に土地の買い上げが始まるときには、震災犠牲者の相続権をめぐる煩雑な手続きが行政の課題として浮上しそうだ。 ■【再生の針路】点検・復興計画 4名取市 津波対策 住民側に不安 @河北新報(2011.12.14) 名取市は津波で被災した閖上地区を区画整理による「現地再建」で、下増田地区を「集団移転」で復興させる方針。焦点は閖上地区の区画整理。太平洋と名取川に津波の1次防御として海抜7メートルの堤防を設置し、貞山堀に2次防御ラインを施す。貞山堀を境に海側が非居住区域、陸側が居住区域になる。居住区域は地盤を3メートルかさ上げし、非居住区域となる現在の漁港付近に高さ20メートルの楕円(だえん)形の人工地盤を配置する。津波襲来時、人工地盤が船のへさきの役割を果たし、津波を受け流す設計という。 閖上の現地再建という基本方針は10月に市議会が議決したが、住民の間には異論がくすぶる。「閖上復興100人会議」の参加者からは「仙台平野は津波の常襲地帯。多重防御を施しても安全は守れない」「3メートルのかさ上げで本当に大丈夫か」といった不安の声が相次いだ。現地再建を容認する若い世代の住民からも「子どもの安全に万全を期したい。学校はできるだけ陸側に建設してほしい」という要望が出た。 計画は150年間隔の大津波では住宅と人命の双方を、1000年間隔の巨大津波では人命は必ず守るという考えに立つ。津波防災に対するこの発想を住民にどれだけ理解してもらえるかが、計画実現の鍵を握る。 ■【再生の針路】点検・復興計画 5女川町 用地確保 情報共有遅れ @河北新報(2011.12.15) 住民の意向調査を基に町が積算した、町中心部で必要な住宅用地は54ヘクタール。浸水しなかった平たん地がほとんどないため、高台4力所を「先行復興エリア」に設定。用地確保を急ぎ造成に着手する。4ヵ所の高台はいずれも民有地。地権者の同意をいかに円滑に得るかが事業推進の第一関門になるだろう。 浸水地域に関しては5メートル以下のかさ上げで、想定される津波の高さが3メートルを超えない場所に限って住宅再建を認める方針。産業再生の拠点として、壊滅した水産加工場用地を女川漁港背後地に造成する。国道398号は海抜5.4メートルまで盛り土して防潮機能を持たせ、内側に商店街を復活させる。 須田町長は住民との情報共有も公約の一つに挙げた。土地の買い上げに関する方針を国が明確にしない中、住民と意識を共有し復興を加速できるかどうかは不透明だ。 ■【再生の針路】点検・復興計画 6岩沼市 移転か残るか調整急務 @河北新報(2011.12.16) 県内市町村で最初となる9月に復興計画を決めた岩沼市では、集団移転に向けた動きが加速している。特に被災が大きかった沿岸6町内会・契約会のうち4町内会は集団移転することで合意。残る2町内会・契約会では意見集約が難航しており、市が中心となって意見調整することが不可欠だ。 相野釜、藤曽根、長谷釜、二野倉の4町内会は同市押分にある新興住宅地「恵み野」の西側隣接地区に移転することでまとまった。蒲崎町内会、新浜契約会は「移転」「現在地居住」の問で揺れている。「ほとんどの家が流失してしまった市沿岸北部に比べると、流されなかった家が多い。移転資金を工面できない人は戻らざるをえない」と蒲崎町内会長の菊地さんは住民の意見が割れている理由を説明する。 とどまるか、移るか迷う住民を前に、市は明確な「羅針盤」を示すことをためらう。井口経明市長は「防潮堤も不完全な中で被災地区に住むのは不安が多いが、私有財産の活用は所有者責任が大原則。土地利用規制は住民が集団移転を決断した後に行う」と語った。た。市は被災者個別のニーズを把握するため、12月に入って被災住民一人一人との面談も始めた。 |
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