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【持論時論】 「盛り土安心論」に意義 防災・生活両面に配慮を 岩手県立大総合政策学部教授 ...

■題 名 【持論時論】 「盛り土安心論」に意義 防災・生活両面に配慮を 岩手県立大総合政策学部教授 元田良孝
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(河北新報)
■概要 . 被災した各自治体で復興計画が策定されつつあるが、気になるのは、道路を盛り土構造にする、いわゆる「2線堤」の問題だ。
 第一に、道路や線路は見た目は堤防と同じだが、技術的には交通施設として設計はされているものの、防災施設として設計されていない。海岸から数キロも離れ、津波の力が減衰したところにたまたまあったのが仙台東部道路であった。もし津波が直撃する海浜近くにあったら、斜面の保護も全くない仙台東部道路は跡形もなく破壊されていた可能性が大きい。単に道路や線路を高盛り土にした二線堤ではなく、防潮堤として設計された施設を設けるべきである。
 第二に、2線堤は平時には大変使いづらい、街づくりを阻害する施設になる可能性が大きい。例えば、道路を高盛り土にすると、沿道の利用が大きく制限される。沿道に商業施設もつくれず、乗り入れも自由にできない、通過するだけの道路になってしまう。また高盛り土の道路、鉄道は地域を分断し、住民の交流を阻害してしまう。津波を防ぐだけの高さにすると、圧迫感のある城壁に囲まれたようになる。
 千年に一度の災害に備える防災施設は、安心感は別として、結果は1日しか機能を発揮しない。従って平時と非常時のバランスが必要であり、防災のみの街づくりはあリ得ない。仙台東部道路で助かった人や財産があったことは評価するが、2線堤については慎重な判断が求められる。
■タグ 河北新報 持論時論 コラム 盛土道路 盛土鉄道 第2線堤・第2堤防 仙台東部道路
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