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【再生の針路】点検・復興計画13-19
■題 名 | 【再生の針路】点検・復興計画13-19 | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(河北新報) |
■概要 | ■【再生の針路】点検・復興計画 13松島町 町の判断 国はどう尊重 @河北新報(2011.12.24) 沿岸の被災自治体が策定する復興計画を見ると、防潮堤の高さについて「関係機関と協議する」といった曖昧な表現が目立つ。景観の保全と住民や観光客の安全の両立は、観光都市松島が復興を遂げる上で最大のポイントだ。町の説明は「必要な高さは標高3.3メートル」「地盤沈下分を加味すると4.3メートルだが、湾内の島々が沖合堤防の役目を果たすので余裕高の確保は不要」「海岸地区は景観に配慮して2.2メートルでお願いしている」と、二転三転した。 震災を踏まえた防潮堤の整備は国が試算したが、工事を行うのは県。一方で国の復興基本方針は「復興の主体は自治体」と明記している。要するに、誰が説明と実施の責任を果たすべきなのかが分からない。仮に町民が防潮堤の高さを独自の判断基準で決めたいと望むのなら、復興特区法に基づき、国に認定してもらうしかなさそうだ。だが、審議の入り口で検討されていた自治体の判断で規制撤廃できる「上書き権」の付与は、成案時には立ち消えになっていた。結局、被災市町村の意見書を基に議員立法で特例を拡充する仕組みに落ち着いた。非常時に平時の原理原則を振りかざす内閣法制局を相手に、上書き権の付与も押し通せなかった国会が互角に渡り合えるのか、疑念は消えない。 ■【再生の針路】点検・復興計画 14東松島市 移転へ土地価格が焦点 @河北新報(2011.12.25) 大曲浜や野蒜など、7地区の約3000世帯で集団移転を目指す。年明けに開く地区ごとの説明会で、移転元の土地価格を提示する。市は「時価に復興計画の土地利用を上乗せした価格」と説明しており、住民の反応が焦点だ。 市は来年1月10日、集団移転対象の地区別説明会をスタートさせ、住民の意思を確認する個別面談に移る。説明会では移転元の土地価格、移転の土地借地料、災害公営住宅の家賃の3点を示す。市が最も重視するのは、移転元の土地価格だ。価格によって、移転の決断や移転先での住宅再建、災害公営住宅への入居といった将来設計を決める住民は多いとみられる。市復興政策部は「なるべく震災前の価格に近づける。震災前の何割という形で、地域間で差が出ないようにしたい」と説明する。 ■【再生の針路】点検・復興計画 15多賀城市 「現地再建」説明尽くせ @河北新報(2011.12.26) 市の面積の約3分の1が浸水した多賀城市は、住宅再建の基本に「現地再建」を据えた。集団移転を選択しない理由について、「個人の資産を減らさず、市民の経済的負担を少なくするため」と説明する。県道、市道沿いを盛り土して整備する防災林や、仙台港の防潮堤などの多重防御策を講じ、今回と同規模の津波が襲ったとしても、浸水深は最大で2メートル未満になるとのシミュレーション結果も根拠に挙げる。 だが、津波を経験した市民からは「心情的に、もうここでは暮らせない」「子どもに住んでくれとは言えない」と戸惑いの声が聞こえてくる。仙台港に近い宮内地区は浸水深が最大4メートルを超えた。市の調査に移転を希望した住民は57.1%と市内で最も高い。市は宮内―丁目に災害公営住宅を建設する計画を示した。中層階の公営住宅に津波避難ビルの機能を持たせ、かさ上げした緑地帯で住宅地を囲み、地区の安全性を高めるという。説明を聞いた住民の1人は「公営住宅を他の地域に造らないのか。宮内には怖くていられない」と訴えた。なぜ現地再建なのか、津波から市民の命と財産をどう守るのか、説明は尽くされていない。被災者の視点で市民の不安を拭う継続的な努力が求められる。 ■【再生の針路】点検・復興計画 16利府町 再建へ規制緩和 不可避 @河北新報(2011.12.27) 松島湾に面し、津波被害を受けた東部の浜田、須賀両地区の再建が柱。浜田漁港に海面から3.3メートル程度の防潮堤を、須賀漁港の入り口には塩釜市との境界をまたぐように防潮水門を建設し、避難場所や避難路を併せて整備する。 町の面積の17.7%に上る東部の7.9平方キロは国の特別名勝「松島」の保護地区に当たり、文化財保護法による建築規制が掛けられている。現地再建を考える住民にとっては、文化財保護法と市街化調整区域による二重の規制が復興の歩みを遅らせる恐れもある。須賀地区の防潮水門を建設するためには、高いハードルが立ちはだかる。塩釜市側にある最も規制の厳しい特別保護地区の一部を造成しなけれぱならない。 東部の発展に、文化財保護法などの制約が足かせとなってきた事実は否めない。震災後、東西の均衡の取れたまちづくりを進めるためには、規制緩和をいかに図られるかが鍵を握る。 ■【再生の針路】点検・復興計画 17山元町 「人口流出」消えぬ懸念 @河北新報(2011.12.28) 震災復興計画を町の総合計画と明確に位置付けた点で、他の被災自治体とは趣が異なる。計画は復旧、復興と同時に人口減少や少子高齢化など震災前からの課題解決を目指す方針を掲げた。 新たなまちづくりの背骨となるのがJR常磐線の新路線だ。町は移設後の山下、坂元両駅と、国立病院機構宮城病院を拠点とした新路線の沿線3ヵ所に新たな市街地を整備する計画。被災者の集団移転を通じて人口を集約し、若者からお年寄りまでが便利で快適に暮らせる「コンパクトなまちづくり」に取り組む。 実現の鍵を握るのは常磐線の開通時期だ。計画を審議した町議からは「人口流出を防ぐため、一日も早く開通してほしい」と注文が相次いだ。町は早ければ2015年度末の町内全線の開通を見込むが、移転を迫られる民家は十数戸に上るとみられ、用地買収の進展次第では工期がずれ込む可能性もある。 ■【再生の針路】点検・復興計画 18石巻市(上) 集団移転へにじむ思惑 @河北新報(2011.12.29) 集団移転など土地利用をめぐる住民の意見集約が遅れ、計画策定が当初予定の11月から約1ヵ月ずれ込んだ。3月に事業費などを盛り込んだ形で実施計画を策定する。 浸水が激しかった沿岸部は原則、非可住地域とした。集団移転候補地は、南浜町と釜・大街道地区向けに蛇田地区(2000世帯分)を、湊地区向けに渡波の内陸部(500世帯分)を選んだ。蛇田地区は近年開発が進み、市民の人気が高い。「この上ない一等地」(市議)を用意することで、移転を迅速に進めたい市の思惑がにじむ。生まれ育った地を離れたくないとの思いから、移転に消極的な世帯がある。居住可能とされた沿岸部でも、津波への恐怖があり蛇田地区との換地を望む声が上がっている。 旧北上川沿いの中心市街地付近は、約2000世帯が内陸部に移転する。このため「商店街の復活がますます困難になるのでは」と懸念する声が上がる。「川の見える街並みの再生」を掲げる同地域では、中心市街地周辺の防潮堤の高さを明示しなかった。東北地方整備局の方針では、地面から4.5〜5メートル程度になる見込み。住民側は震災前と同じ実質1メートル程度の水準を主張している。 津波が直撃した南浜町は、すべて公園地帯とした。広大な面積だけに、震災特区としての活用を模索するよう求める声もある。 ■【再生の針路】点検・復興計画 19石巻市(下) 絆づくり支援ちぐはぐ @河北新報(2011.12.30) 市の復興をリードする施策7項目37事業を「重点プロジェクト」に位置付けた。「絆づくり」は、地域のコミュニティー再生や仮設住宅などでの自治組織づくりを後押しする。市の仮設住宅は県内最多となる134ヵ所。新たに自治会が発足したのは8ヵ所だけ。約50力所は既存の町内会に組み込まれたものの、そのほかは自治組織の設立が進んでいない。民生委員やNPOは被災者同士が連絡を取り合えるよう、市に各世帯の名簿や連絡先を提供するよう求める。だが市は「個人情報保護条例に抵触する」として行政委員以外には開示していない。 「海と大地との共生」は水産業の復興を目指すプロジェクトだ。石巻工業港周辺の工場群と比べ復旧のスピードが遅れている水産加工業関係者からは、内容の薄さを指摘する声が根強い。インフラの復旧が中心で、石巻の水産業の課題だった販売戦略などに目を向けていないからだ。来年3月に取りまとめる実施計画に、具体性を持たせなければ、プロジェクトは文字通り計画倒れに終わるだろう。 |
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