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【時代の風】 五百旗頭真 防衛大学校長 震災と失われた20年 「再生バネ」ONにする時...

■題 名 【時代の風】 五百旗頭真 防衛大学校長 震災と失われた20年 「再生バネ」ONにする時
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(毎日)
■概要 . 昭和20年の敗戦。日本国民は食べるものもこと欠く悲惨の中で懸命に働いた。1960年代後半、日本のGNP(国民総生産)は西欧諸国を次々と抜き去り、欧米並みの生活水準に近づいた。驚くべき日本国民の再生バネである。73年の石油危機の挫折の中で、日本史はまたも官民共同で再生バネを利かせて躍進する。街のネオンがすべて消えるほどに日本国民はエネルギー節減に協力した。技術革新を加速した。80年代の日本は米欧を凌駕する世界一のものづくり国家に浮上した。
 豊かになるすべを手にした日本であったが、富を何に用いるかについての知恵は足りなかった。バプルがはじけるとともに「失われた10年」の不況に、さらに「失われた20年」の低迷に落ち込んだ。その挙げ句の果てに東日本大震災という未曽有の大災害に襲われた。少子高齢化の下での衰退宿命諭もあり、日本は死命を制せられたと見る者も少なくない。私はそうは思わない。国難のどん底からの再生バネという日本史DNAを、OFFからONに切り替える機会であると考える。
 日本社会の備えは、津波に対しては不十分であり、2万人もの犠牲を出した。さらに原発事故ではもろさを露呈した。だが、マグニチュード9の大地震と大津波という天災の規模を考えれば、日本社会なればこそ、同規模の大災害であるインドネシア大津波の20万人を超える犠牲者の約10分の1にとどめ得たと考えるべきであろう。それを慰めにするのではなく、復興とともにさらなる減災に全力をあげねばならない。
 おそらく史上初めて、災害復興のための増税を国は決めた。被災地を見捨てず、増税までして今日を生きる世代により支え抜くことに合意した日本国民を私は誇りに思う。まもなく生まれる復興庁が、関東大震災後に生まれた復興局のように汚職まみれになって国民を裏切ることがないよう願う。復興を支えつつ、それを日本全体の再生の機とするプロセスを作り出してもらいたいと思う。
 日本再生を阻む最大の要因は、新政権に仕事をさせず毎年首相を取り換える悪弊にあると思う。国民とメディアは政変中毒を脱して、政府によい仕事をするよう圧力をかけるべきである。
■タグ 毎日 時代の風 コラム 五百旗頭真
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