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【東日本大震災1年】 防潮堤復旧 着工1割 被災3県、かさ上げ難航...

■題 名 【東日本大震災1年】 防潮堤復旧 着工1割 被災3県、かさ上げ難航
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(朝日)
■概要 . 東日本大震災の津波で損壊した岩手、宮城、福島3県の防潮堤約190キロのうち、今年度中に復旧工事に着手できる区間は約18キロにとどまることが朝日新聞社の調べでわかった。
 県などは防潮堤を地区ごとに管理しており、3県沿岸は515地区に細分化されている。うち復旧対象は原発事故の警戒区域を除く375地区。着工済みか、年度内着工のめどがついたのは26地区。復旧対象の9割は震災前より高さが引き上げられる。同時に堤防の幅も広がり、用地取得が必要になるが、「地盤沈下で境界の画定が難しく買収が難航している」(宮城県)、国が防潮堤の強度の基準を示していないため「設計に進めない」(岩手県)という。「海が見えなくなるのはかえって危険」と防潮堤を高くすることに反対する住民も多く、合意づくりが難航している地域もある。

◇防潮堤 住民合意の壁 「安全第一」「景観守りたい」
 宮城県気仙沼市魚町。気仙沼湾に面した街灯に白い布をつるしたロープが張られている。6.2メートル。市が提示した防潮堤の高さだ。近くで雑貨店を営む藤田さんらが、住民がイメージしやすいようにと取り付けた。「港町の景観が失われ、観光もダメになる」と藤田さんは言う。
 日本三景の松島がある同県松島町も、防潮堤を震災前2.1メートルから4.3メートルに引き上げるという県の方針に対し、「安全第一」「景観を守りたい」と賛否に割れた。現状維持を求める町の要望を受けて、県は高さを2.1〜3.3メートルに引き下げた。
 岩手県大槌町。県は大槌湾岸の防潮堤を震災前より約8メートル引き上げ、14.5メートルにする計画だが、漁師町の赤浜地区は防潮堤を従来の高さに抑える計画をまとめ、町も同調した。県道をかさ上げし、高台に住宅を建てるという。赤浜地区の住民の協議会では「迫る津波が見えて、間一髪助かった人もいる。高さが2倍になれば海が見えなくなる」との意見が相次いだという。

◇用地確保に遅れ
 宮城県名取市閖上地区。国土交通省は一帯の約30キロの海岸に高さ7.2メートルの堤防を整備する。今は業者の選定中で着工は旱くても3月中下旬。遅れの要因は様々。地盤沈下や地殻変動で用地の画定が困難になったり、仮設住宅や民間賃貸住宅に入った地権者と連絡がつかなかったりで、用地取得の交渉に入るのも容易ではない。
■タグ 朝日 防潮堤 用地買収 合意形成 堤防かさ上げ 景観 気仙沼市 松島町 大槌町 赤浜地区 名取市 閖上地区
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