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多様なニーズ調整困難 被災3県 独自復興計画-国への期待込め 【宮城】「再構築」掲げ知事主...
■題 名 | 多様なニーズ調整困難 被災3県 独自復興計画-国への期待込め 【宮城】「再構築」掲げ知事主導 【岩手】市町村に委ね堂々巡り 【福島】「廃炉」巡り態度定まらず | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(毎日) |
■概要 | . 東日本大震災で特に大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県は、各知事も参加する国の復興構想会議とは別に独自の検討組織を設置し、復興計画作りを進めている。各県とも国の構想や予算に反映させようと検討を急ぐが、市町村や住民の間には多様な二-ズがあり、調整は簡単ではない。空前の広域災害からの復興へ向け、各県とも手探りの作業が続いている。 【宮城】「再構築」掲げ知事主導 宮城県は「被災地の原形復旧は不可能」と位置づけた。「単なる復旧ではなく再構築」を掲げ、今月2日には県独自の復興計画を策定する県震災復興会議を設置。村井嘉浩知事も漁業の民間参入を促す「水産業復興特区」を打ち出すなど、復興策を次々と発信する。積極的な姿勢の背景には「国の動きを待っていられない」という焦りといらただちがある。 復興構想会議に対する県の視線は厳しい。村井知事は16日の会見で「毎週10時間以上、拘東されてでも会議に行くのは、政府が全てのみ込んでくれると信じているからだ。そうならなければ徒労に終わる」と述べた。 ただ、県の意気込みが被災者の反発を招いている面もある。県は4月、早々と浸水地域に居住地を設けない方針を決めた。これを受け女川町が今月、沿岸部の住民の高台移転を打ち出すと、地元漁師らから反対の声が上がった。「水産業復興特区」にも漁業関係者らは反発を強める。 【岩手】市町村に委ね堂々巡り 岩手県の姿勢は、県が主導して進める宮城県とは対照的だ。達増拓也知事は被災地に復興計画の多くを委ねる方針を強調する。だが、県と市町村の歯車がかみ合っているとは言い難い。 県が設けた復興委員会。25日の会合に出席した陸前高田市の戸羽太市長は被災12市町村の復興にかかる期間を一律6、8、10年のいずれかに決めようとする県の提案に「被災地の声を吸い上げてるか疑問だ」と訴えた。陸前高田市は、がれき処理だけで3年かかる見通しで、6年で復興できるはずがないからだ。 計画作りを委ねられた市町村が住民の意向を反映させる作業は簡単ではない。陸前高田市の戸羽市長は復興のあり方を巡り、津波浸水地区の住宅再建をある程度規制し、住民の安全を最重視する考えを示してきた。だが、被害が甚大で復興の青写真すら示せないだけに、不安を抱く市民は少なくない。 市役所が津波の被害を免れた大船渡市は12日、近隣市町に先駆けて災害復興計画策定委員会を発足させた。市は6月初旬にもまとめる骨子案で、住宅の高台移転の方針を打ち出す見通しだ。だが、住民の意見は割れている。市が12日公表した住民アンケートでは、住宅が被災した人のうち42%は「高台に移転」と答えた。一方、「同じ場所に再築」「補修などにより入居」との回答も合せて31%あった。 住民中心の「復興まちづくり会議」を開催し、住民の声を反映させようと動きだした釜石市。市復興プロジェクトチームの洞口政伸課長は「市は県にお願いし、県は国にお願いし、国は『地元の意見を聞いてから』という。このままではグルグル回っているだけなので、市が動かしていくつもりでやらないといけない」と言い切った。 【福島】「廃炉」巡り態度定まらず 原発事故の収束のめどが立たない福島県は復興計画の策定が遅れている。県は今月、復興ビジョンを策定する有識者委員会を設置。7月末の取りまとめを目指して議論を進めている。委員からは「脱原発」「新エネルギー産業の育成」などの意見が出され、スローガンとして「新エネルギー政策立県」が盛り込まれる公算が大きい。 だが原発の将来について、県の姿勢は明確ではない。佐藤雄平知事は4月、「第1、第2原発とも再稼働はあり得ない」と発言したが、冷温停止中の原子炉を廃炉にするかについては明言を避ける。 あいまいな態度は、経済が原発に依存する立地町への配慮とみられるが、臨時県議会では「廃炉」を巡って追及を受けた。県幹部は「復興ビジョンの前提条件として『廃炉か否か』には触れなければいけないとは感じる」と打ち明ける。 |
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