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◎特集・被災地の建築制限 行政と住民に溝=被災市町村は板挟み―条件付き容認の動きも...
■題 名 | ◎特集・被災地の建築制限 行政と住民に溝=被災市町村は板挟み―条件付き容認の動きも | ||
■日 付 | 1899年12月31日 | ■大分類 | 新聞等(官庁速報) |
■概要 | . 宮城県や同県石巻市は、4月から計画的なまちづくりや住民の安全確保を狙いに、建築制限を実施。岩手県も市町村に建築制限のための条例制定を働き掛けている。しかし、住宅や店舗を早く再建したいとする住民や事業者との間には大きな溝がある。 ◇宮城は県が主導 宮城県は4月上旬に、気仙沼市、東松島市、名取市、南三陸町、女川町の計3市2町の市街地約1400ヘクタールを建築基準法84条に基づく「建築制限区域」に指定した。同法の特定行政庁である石巻市も同様の措置を実施した。宮城県は84条を適用した理由について、「被災地が壊滅的な状況にあり、行政が正常に機能していない中で、県が直接指定することが可能なため」(建築宅地課)と説明。特例法により期間を最長8カ月間に拡大。9月11日まで指定期間を延ばした。県も市も同月までに被災市町の復興方針を定める方針。 一方、岩手県は、津波で大きな被害を受けた沿岸部を同法39条に基づく「災害危険区域」に指定することを目指している。ただ、これには条例制定が必要。期限は具体的には定められておらず、県は住民の安全が確保できるまでの数年間を想定している。岩手県は39条を活用する理由について、「被災地が広範囲で複雑な上、被災地ごとに地形も違う。災害危険区域を広範囲に指定することで、市街地のみならず建築制限をかけることができる。復興にも時間がかかるため、期限に制限はない方がいい」(県土整備部)と話す。 宮城県は岩手県の対応に「危険が除去できるまで制限が続くと、住民の権利を長期に侵害する」と疑問を呈する。ただ、宮城県は復興計画に基づいて集団移転などを行う際に、移転前の土地を「災害危険区域」に指定することなども検討しており、「39条の活用を否定しているわけではない」としている。 ◇地元からは「問題の先送り」 石巻市は、市街地の約550ヘクタールに建築制限をかけている。住民から「いつから家が建てられるのか」といった問い合わせが寄せられている。産業界からは「建築制限は問題の先送りだ。市の対応を待っていたら事業者はつぶれる」との不満の声も強い。市内の事業者の中には、応急的に店舗を修理して営業を再開したり、内陸部に移転先を見つけたりする動きが出ているという。 ◇岩手は「安全確保が最優先」 岩手県は建設を求める地元の声に対し、「防災施設の整備など十分な安全確保を図るためにやむを得ない」との意見だ。県は沿岸12市町村に条例制定を促しているが、大船渡市以外は慎重な自治体が相次いでいる上、大船渡市でもまだ条例は制定されていない。宮古市は、山本正徳市長が条例化しない方針を表明。 一方、陸前高田市では、戸羽太市長が条例は必要との認識を表明済み。しかし、建築を認めるよう求める住民の声に対しては、「安全性の問題などを説明して自粛を要請するのが精いっぱい」「いつまでも自粛要請は通用しない」と限界を感じており、今後の対応に頭を悩ませる。同市では建設会社が5月に津波の被災地域に作業所を再建するといった動きも。4月に市を通じて県に建築確認の申請手続きを行い、5月中旬に認可されたという。こうした動きは沿岸地域に徐々に広がりつつあり、大船渡市、陸前高田市だけで倉庫や店舗を中心に、浸水区域で10件(6月23日現在)の建築確認が既に行われている。 岩手県沿岸部の各市町村はそれぞれ復興計画の策定を進めているが、国や県の動向や支援策の内容を見極める必要もあるため、建築制限への態度を決めかねているようだ。 他方、宮城県は建築を求める声に配慮し、当初から建築制限区域でも、仮設店舗などの建設は条件付きで許可する方針を表明。今後、対象建築物の拡大も検討している。 |
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■タグ | 官庁速報 建築規制・建築制限 宮城県 気仙沼市 東松島市 名取市 南三陸町 女川町 石巻市 建築基準法84条 建築制限区域 岩手県 建築基準法39条 災害危険区域 宮古市 大船渡市 陸前高田市 | ||
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