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おおむね意見反映 県「提言」を評価/被災地再生へ連帯強調/知事「提案きっちり実現化を」/早...

■題 名 おおむね意見反映 県「提言」を評価/被災地再生へ連帯強調/知事「提案きっちり実現化を」/早期実行求める
■日 付 1899年12月31日 ■大分類 新聞等(福島民友)
■概要 . 復興構想会議の第1次提言。県は、本県特有の福島第1原発事故への対応に絞り、具体的な取り組みを指摘し続けた。
 提言は原子力災害の復興策を別枠で設け、原子力災害に絞った協議の場の設置や健康管理、再生可能エネルギー、放射性物質が付着した土壌除染の各研究機関の県内設置などを盛り込み、県は「おおむね県の意見が反映された」と評価する。
 地域再生と損害賠償の特別法の制定については「法整備を含め、国が継続して、責任を持って取り組むべき」としたのにとどまったものの、おおむね意見が反映された。ただ財政支援については、自由度の高い財源措置、地方交付税の別枠確保、国庫による基金造成のいずれも趣旨を盛り込むのみだった。
 一方、県独自の復興ビジョンの施策反映については、再生可能エネルギー、土壌汚染などの研究拠点の県内整備が盛り込まれたことで一定の成果を得た形となった。

◇被災地再生へ連帯強調
 復興構想会識の提言は、キーワードとして「つなぐ」と「希望」を強調し、社会の連帯による被災地の再生を訴えた。
 前文は「人と人、地域と地域、国と国をつなぐことで復興への光が差してくる。つなぎ合いの連鎖から希望は人々の心の中には育まれていく」と指摘。これに続く「東北の復興を国民全体で支えることで、日本再生の希望は一段と身近なものへと膨らんでいく」とのくだりには、復興増税による負担感への地ならしの思惑もにじんだ。
 地域再生では「人と人をつなぐ人材」の大切さを強調。まちづくりや福祉、法律などの専門家を連携、住民の合意形成を支援するコーディネーターの育成を促した。異業種の企業や大学などを「つなぐ」重要性にも言及。医療、介護、福祉を一体化した「地域包括ケア」は新たな雇用につながると説明。企業と研究機関のネットワークによる漁業振興、電子部品産業と材料分野に強い大学の産学協同も求めた。

◇知事「提案きっちり具現化を」
 佐藤雄平知事は「要望、意見をおおよそ認めていただいた」と提言を評価した上で「きっちり提案を具現化してほしい」と政府対応に強い期待感を示した。

◇早期実行求める 佐藤県会議長要請活動強化へ
 県議会の佐藤憲保議長は5日、復興構想会議第1次提言を受け、提言の早期の実行、実現を求め、政府への要請活動を強める方針を明らかにした。県議会は、復旧復興対策特別委員会を設置し、県の復旧復興策を調査している。調査に基づき国、県への具体的な施策の提言がまとまる都度、菅直人首相をはじめ各閣僚への緊急要望を行う。

◇政治の真価問われる
 復興構想会議の提言は末尾で「政府が提言を真摯に受け止め、誠実に速やかに実行することを強く求める」と記し、実行に向けた政府の覚悟を問うた。復興財源確保で増税する場合、国民を説得できるのか。被災地の新たなまちづくりで、対立する利害関係を調整する手腕はあるのか。菅直人首相の退陣騒動に象徴される混迷が続く中、政治の真価が問われる。
 政府は7月中旬に2011年度第2次補正予算案の国会提出を予定しており、提言も一部反映される方向。本格復興に向けた3次補正は次期政権で編成するのが与野党の「共通認識」だが、菅首相の退陣時期がずれ込めば不毛な対立が再燃しかねない。政治が復興の妨げとなる事態は回避すべきだ。

◇復興構想会議 本県関係2委員に聞く 特区化する契機に 県立博物館長 赤坂憲雄氏
(提言の感想は?)
 福島を原子力から自然エネルギー転換への先駆けの地とすべきとした提言は全て盛り込まれた。県が特区としてビジョンを作り上げ、国に実現を要求していくよりどころを得たと考える。県の復興ビジョンも同じ方向性を示しており、大きなうねりが始まるのではないか。
(当初は原発の議論を扱わなかった)
 原発の議論を最大のテーマとし、逃げない提言となった。事故が進行中の福島で国立レベルの研究機関をつくり、放射能汚染の状況把握と除染を長期的に行う特区づくりのきっかけになる内容。復興構想は困難の中で希望の芽を語ること。その役割は果たすことができたと考える
(提言していた文化復興については?)
 災害アーカイプという名前ではないが、震災に関する各分野での調査研究、将来への教訓として記憶や体験を語り継ぐというテーマで提言には全部きちんと盛り込まれた。

◇復興構想会議 本県関係2委員に聞く 実行段階まで注視 作家 玄侑宗久氏
(提言の感想は?)
 復興への熱意がこもった提言。各委員が述べた具体論も全てが要約され見事にまとめられた。ただ、要約された提言が実行段階で再び具体論に『解凍』された時、別の意図が入り別物になる可能性がある。そこは委員として注視することで意見が一致した。
(自身の意見は?)
 医療福祉の研究特区構想は反映された。ただ、東北人独特の祖先や地域とのつながりを考える中で、文化財的な価値は少ないが地域社会の中核としてあった神社・仏閣が果たす役割の復興という視点を明確にできなかったことは忸怩たる思いがある。
(「脱原発」という形はとられなかった)
 自然エネルギーの考えの中に含まれている。福島の復興に原子力は二度と考えられないことは、何度も知事も言っているし、委員の共通認識。原発推進はありえない。『脱原発』の言葉は一種のイデオロギーにつながるので、そこにくみしなかっただけ。

◇県議会各会派談話
 ・国の基金は力不足・・・斎藤健治自民党県連幹事長
 ・要求反映され評価・・・渡部譲県民連合会長
 ・素早い対応を望む・・・甚野源次郎公明党県議団長
 ・国の責任で対応を・・・神山悦子共産党県議団長
 ・着実な実行を期待・・・小沢隆改進の会代表

◇復興構想会議提言に12市町村長の反応
■タグ 福島民友 東日本大震災復興構想会議 第1次提言 復興への提言 玄侑宗久 赤坂憲雄
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■管理番号 No.00880


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