国土に関する常識クイズ |
<総合目次> |
|||||||||
日本の国土 |
国土の大きさ |
海と日本 |
雨や雪 |
日本の人口 |
日本の都市 |
山や森林 |
|||
---------------- | |||||||||
短くて急な川 |
自然災害の被害 |
水害や土砂災害 |
台風の進路 日本 |
地震国 日本 |
火山国 日本 |
世界有数の火山国、日本
日本で有名な活火山をどれくらい知っていますか。関東地方の浅間山、九州地方の阿蘇山、桜島などは学校で習うと思います。
地球上で地震が起きやすい地域と火山がある地域は似ています。そもそも活火山とはどういう火山でしょうか。世界に活火山はどれくらいあって、日本にはどれくらいあるのでしょうか。火山は噴火するとおそろしいですが、生活のすぐ近くに火山がある人々もいます。一方で温泉などの火山のめぐみもあります。火山について知ってみましょう。
■世界の活火山の7%が日本にある
気象庁によると、「活火山」とは、およそ過去1万年以内に噴火した火山や現在も活発な活動のある火山をいいます。いま活発にけむりをあげている火山はもちろん「活火山」ですが、過去の長い間活動がなくとも将来に噴火の可能性がある火山も「活火山」です。
日本では全国で活火山が108山あり、世界の活火山の7%を占めています。
ところで、昔は、「活火山」のほかに、「休火山」や「死火山」という分類がありました。いまは活動していないが過去に活動した記録が残っている火山を「休火山」、過去の活動記録がない火山を「死火山」と分類していました。
しかし、火山の年代をはかる技術が進歩して、火山の過去の活動がくわしくわかるようになると、過去の活動記録だけで将来の噴火の可能性を判断することは難しいということがわかりました。そこで、いまでは「休火山」や「死火山」いう分類はしていません。
■地震と火山の関係
世界で発生している地震の分布(左)と世界の主な火山の分布(右)を比べてみましょう。よく似ていることがわかります。
地球の表面近くでは、「プレート」という、厚さ数10kmから100kmの
このプレートどうしの
日本で起こる地震の発生や火山の噴火は、こうしたプレートの動きと関係があります。日本列島は、「ユーラシアプレート」と「北米プレート」の上に乗っていますが、東の海から「太平洋プレート」が西向きに移動してきてぶつかり、「日本海溝」などで地下にもぐりこみます。また、南の海からは「フィリピン海プレート」が北向きに移動してきてぶつかり、「南海トラフ」で地下にもぐりこみます。
このため、「日本海溝」や「南海トラフ」と平行して「火山フロント」と呼ばれる火山の列があらわれます。これが北海道や本州、九州の山脈、小笠原諸島などの火山帯です。
さて、日本付近のプレートの図をよく見てください。ユーラシアプレート、北米プレート、フィリピン海プレートの3つのプレートがぶつかるところのすぐ近く、火山フロントの交点になるところには何があるでしょうか。そう、日本一高い山、富士山です。
■火山噴火などの被害
江戸時代中期、1783年の浅間山の噴火では、火砕流・溶岩流・火山泥流が発生し、土砂が吾妻川をせき止めました。その後、この土砂が決壊し、増水した吾妻川は泥流となって大洪水を引き起こしました。増水した水は合流する利根川にも流れこみ、現在の前橋市あたりまで被害が広がりました。この噴火で1151人の犠牲者がでたと記録されています。
鹿児島県の桜島は、いまも噴煙を上げ続けています。名前のとおり、かつては鹿児島湾に浮かぶ火山島でした。1914年(大正3年)の噴火により大隅半島と陸続きとなったのです。
最近では、2000年(平成12年)に三宅島が噴火し、島民が全員、島から避難しました。
2008年(平成20年)年7月の北海道洞爺湖サミットの会場となった洞爺湖付近にある有珠山は、約30年に1度のペースで噴火し、噴火の前ぶれとして地震が多発するという特徴があります。2000年(平成12年)3月に有珠山が噴火したときには、過去と同じように前ぶれとして地震が多発したので、地元に住む人々は有珠山の噴火が近づいていることを知って、いち早く避難することができました。
有珠山の近くに住む人々は、もし噴火が起こったときにどうしたらよいか考えていて、危険地帯を表した地図(ハザードマップ)を作ったり、子供たちに噴火について学校で教えるなどしていました。噴火の被害から立ち直った洞爺湖の人々は、火山のおそろしさも忘れないようにしながら、火山のことを勉強することができるまちづくりを行っています。
■火山からのめぐみ
火山は噴火するとおそろしい一方で、火山からのめぐみもあります。
火山はすき間の多い溶岩でできているので、降った雨はすぐに地面にしみこんでしまいます。しみこんだ水は地下水となって山のふもとへ流れていき、溶岩の切れ目からわき水となって地上に出てきます。火山のわき水は豊富でかれることがありません。また、長い年月、地下を旅してきたので、きれいでおいしい名水として有名なものも多くあります。
火山活動によって川がせき止められたり、地面が陥没したところ(「カルデラ」と言います)に水がたまって湖ができることがあります。栃木県の中禅寺湖は、男体山という火山が噴火して川をせき止めてできた湖です。北海道の洞爺湖や神奈川県の芦ノ湖は地面が陥没したカルデラに水がたまってできた湖です。
火山のまわりにはたいてい温泉もあります。また、火山の熱水や蒸気をつかって電気を起こすことができます。「地熱発電」といいます。日本の地熱発電所は、東北地方や九州地方の火山帯に多く立地しています。
火山が噴き出したものもめぐみとなります。火山灰でできた土は水はけが良いという特徴がありますから、水はけが良い土地を好む農作物を作るのには好都合です。また、軽石を噴き出した火山もあります。軽石はざらざらしているので、お風呂で使うと気持ちがよいです。金、銀、銅、亜鉛、スズなどの鉱物資源も地球の内部から運ばれてきます。